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やくのしま⑥

「つわぶき」
つわぶきは一年を通して屋久島で見られる代表的な野草です。花の少ない11月に鮮やかに咲くことから、人家でも観賞用としてもよく栽培されています。

目を楽しませてくれるだけでなく、島の人はつわぶきの葉を天ぷらにしたり、葉柄の皮を取り去って、茹でてよく水にさらし、苦味をとって食すそうです。いずれも、僕はまだ食べたことがありません。

もちろん、薬草としても有名で、根には健胃、食中毒、下痢に、葉には抗菌
作用があります。

のどの痛みには、茎葉を乾燥したものを1日量3 - 5グラムを600 ccの水に入れて煎じ、3回に分けて服用します。

魚の中毒、食あたりには、催吐剤として、生葉のしぼり汁を50 cc以上飲むとされています。

外用薬として、腫れ物、打撲、凍傷、おでき、切り傷、火傷には生葉を火であぶって、柔らかくなったら揉んで患部に貼り、時々取り換えると膿が出て治癒に役立つといわれています。

つわぶきの園芸品種は多数あり、屋久島では「屋久の幻」「屋久姫」という、なんとも魅力的な名が付された品種です。