抗悪性腫瘍薬
〈アルキル化剤①〉
シクロホスファミド
イホスファミド
ブスルファン
メルファラン
【作用機序】
アルキル化剤は構造内にアルキル基を有し2本鎖DNAに作用し、塩基同士を架橋形成させ腫瘍の増殖を抑制する。
(シクロホスファミド、イホスファミドは生体内で活性化され作用発現)
≪副作用≫
骨髄抑制、排尿障害、間質性肺炎
出血性膀胱炎(代謝物のアクロレインが原因➞*メスナ併用で発現抑制)
*メスナは、アクロレインと結合することで、アクロレインが無障害性物質となることで副作用を防止。
〈アルキル化剤②〉
ニムスチン
ラニムスチン
カルスチム
【作用機序】
DNAをアルキル化し、DNA合成を阻害。
ニムスチンは、代謝物が脂溶性であり、血液脳関門(BBB)を通過する為、脳腫瘍にも適応。
≪適応≫
脳腫瘍、消化器がん、肺がんなど(ニムスチン)
膠芽腫、骨髄腫、悪性リンパ腫など(ラニムスチン)
悪性神経膠腫(カルスチム)
〈プリン代謝拮抗薬〉
プリン代謝拮抗薬
・メルカプトプリン
【作用機序】
プリン塩基に類似構造を持ち、生体内で活性型のチオイノシン酸に代謝され、イノシン酸からアデニル酸、イノシン酸からグアニル酸の合成を阻害し、DNA、RNAの合成を阻害する。
〈ピリミジン代謝拮抗薬➀〉
【5-FU作用機序】
5-FUの活性代謝物である5-フルオロデオキシウリジル酸(5-FdUMP)が不可逆的に、チミジル酸シンターゼ(チミジル酸合成酵素)を阻害し、DNAの生合成を阻害する。(さらに代謝物がRNAに取り込まれることでRNA合成阻害作用も有する。)
【5-FUプロドラック作用機序】
テガフールとドキシフルリジンは5-FUのプロドラックであり、生体内で5-FUに代謝され活性を示す。
カペシタビンは腸管障害作用の軽減と消化管吸収率の改善を目的としたドキシフルリジンのプロドラックであり、ドキシフルリジンを経て5-FUへと代謝される。
«副作用»
脱水症状(激しい下痢)、手足症候群
【薬害】
ソリブジンは抗ウイルス薬であり、現在は使用されていないが、5-FUとの併用で重篤な血液障害が生じた事例がある。
ソリブジンの併用で、5-FUの解毒酵素(ジヒドロピリミジンデヒドロゲナーゼ)を阻害し、5-FUの毒性を増大させる。
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