見出し画像

薬剤師国家試験 薬理 血液凝固系

《作用機序》
ヘパリンは陰性に荷電したグルコサミノグリカン(ムコ多糖)で血漿中でアンチトロンビンⅢと複合体を形成することでアンチトロンビンⅢによる第Ⅹa因子やトロンビンなどのセリンプロテアーゼの活性を抑制する。

《特徴》
①消化管からの吸収が悪いため、経口投与不可のため皮下注、筋注などで使用される。
②作用発現時間は比較的速いが、作用持続時間は短い
③血液胎盤関門は通過しないため、妊婦に使用可能

【低分子ヘパリン】
ダルテパリン、ダナパロイド、エノキサパリン、バルナパリン、レビパリン


ヘパリン同様に複合体形成後、アンチトロンビンⅢの作用を増強
セリンプロテアーゼ(トロンビン、第Ⅹa因子など)の活性を抑制し血液凝固抑制作用を示す。
低分子ヘパリンの分子量は約5000程度で、第Ⅹa因子を阻害するには5000程度の分子量で十分であるが、トロンビンの阻害にはより高分子である必要性がある。
その為、低分子ヘパリンは第Ⅹa因子により抵抗性を示す。
➞抗第Ⅹa因子作用>抗トロンビン作用の作用強弱関係を示す。

《適応》
播種性血管内凝固症候群(DIC)(ダルテパリン、ダナパロイド)

【第Xa因子阻害薬】フォンダパリヌクスナトリウム

《作用機序》
アンチトロンビンⅢに高親和性を示し、アンチトロンビンⅢと複合体を形成後、アンチトロンビンⅢによる抗第Ⅹa因子阻害作用を増強させる。
また、フォンダパリヌクスはアンチトロンビンⅢによる抗トロンビン活性作用をほとんど増強させない特徴を持つ。


《作用機序》
選択的、直接的第Ⅹa因子を阻害
トロンビン直接阻害や血小板に対する直接作用はない


《作用機序》
肝臓でビタミンKと拮抗し、プロトロンビン(第Ⅱ因子)
などのビタミンK依存性凝固因子(第Ⅶ,Ⅸ,Ⅹ)の生成を阻害する。

《特徴》
①消化管からの吸収が良いため、経口投与可。
②作用発現時間は比較的遅いが、作用持続時間は長い
③血液胎盤関門は通過するため、妊婦は禁忌

《相互作用》
ビタミンK含有食品(納豆やほうれん草)などでワルファリンの作用が減弱

《併用禁忌》
イグラチモドと併用で重篤な出血(ブルーレター)(ワルファリンの作用が増強)


【ガベキサート、ナファモスタット】
アンチトロンビンⅢ非依存的にトロンビン、第Ⅹa因子などのタンパク質分解酵素を阻害→抗凝固作用
トリプシン、カリクレイン、プラスミン阻害作用も有する。

【アルガトロバン】
トロンビン活性部位に結合し、アンチトロンビンⅢ非依存的に抗トロンビン作用を示し、抗凝固作用を示す。

ここから先は

1,321字 / 13画像 / 1ファイル

¥ 100

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?