
家庭教師(声劇用コメディ台本 →男1女1)
A→思 春期(おもい はるき)→ 男 高校3年生
B→ 先生(固有名詞無し)→女 家庭教師
「」→セリフ ()→モノローグ、ナレーション
A「緊張してきた…そろそろかな……」
(コンコンッ)
B「こんにちは〜」
A「こ、こんにちは!!」
B「あらぁ、元気のいい挨拶ね」
A「その…先生が来るの、楽しみにしてたので!」
B「ほんとに?ふふっ、お世辞でも嬉しいわ」
A「お世辞なんかじゃないです!!」
B「はいはい。それじゃ、勉強始めましょうか」
A「俺は 思 春期(オモイ ハルキ)平凡な男子高校生だ。大学受験のために3ヶ月前から家庭教師に教えて貰っている。最初は親が無理矢理決めたので嫌がっていたが、すぐに考えを改める事になった。」
B「あら、どうしたの?私の顔、何かついてる??」
A「い、いや!そんなことないです!!」
(先生は俺の志望大学の3年生で、何を隠そう、エロい。露出の多い際どい服装にグラビアモデル顔負けの容姿とプロポーション、健全な男子高校生には刺激が強すぎる存在だ)
B「それは……ここよ、わかる??」
A「えっと、ここ…ですか?」
B「惜しい…ちょっと、ズレてるわね…もう少し下の…」
A「もう少し下……あっ、ここを使うんですか?」
B「そう、正解」
A「ご、ごめんなさい…まだ慣れてなくて…」
B「いいのよ、初めてだもんね」
A「はい…」
B「ふふ…ゆっくりでいいからね」
A「は、はい……解けた!!国語の文章問題ってあんまり得意じゃなかったので、助かりました!」
B「それは良かったわ」
A(にしても、相変わらず今日もエロいな…危うく変な意味に勘違いしてしまいそうだった……)
B「次はなんの教科にする?保健体育??」
A「い、いえ!数学で少し分からないところがあって…」
B「いいわよ、どの問題かしら?」
A「えっと、ここの三角関数なんですけど…」
B「この三角形、凄く尖ってるわね、鋭い…」
A「え、エロッ…」
B「え?」
A「何でもないです!」
B「これはね、この公式をここに…」
A「あ、なるほど、これをここに」
B「挿入するの」
A「そそそ、挿入!?」
B「間違えちゃったわ、「代入」ね」
A「分かりました……」
B「そして次は……」
A「あ、後は自分で解けるので、次の教科に行ってもいいですか!」
B「ええ、いつでも、イッていいわよ」
A「ぐっ!え、エロッ…!」
B「ん?L?」
A「何でもないです!!」
B「そう?それじゃあ次は…保健体育??」
A「いや、保体は共通テストに出ないんで……」
(まずいな…これ以上は刺激が強すぎてどうにかなってしまいそうだ。エロい方向に考えないようにしなきゃいけないのに…)
B「どうする?延長する?」
A「え、延長!?」
B「もう2時間経ったけど、まだ……満足してないんじゃない?」
A「いや、そ、そんなことは……」
B「今までよりもっと凄いこと、シたくない?」
A「延長します!オプションも追加できますか!!?」
B「な、何を言ってるの?やっぱり疲れてそうだし、休憩する…?」
A「あっ…す、すみません…」
(一言一句がエロくきこえてしまう……
先生は真面目に教えてくれてるのに…俺が思春期なせいで…これじゃダメだ…!!)
B「勉強以外の悩みでも相談していいのよ?
これでも一応先輩だしね」
A「先生……ありがとうございます!」
B「私に教えられる事なら…何でも、教えてあげる」
A「何でも…くっ!!」
B「どうしたの?」
A「…問題…ないです……。俺、真摯に向き合うって決めたので!」
B「よく分からないけど…やる気が出たようでな何よりよ」
A「はい!ちょっと気を張りすぎなのかもしれないですね」
B「それは良くないわね。やっぱり適度に、抜かないと」
A「っっ!!ぐぅ…!!ち、力を抜くって…事ですね……」
B「そう。1人じゃ難しいなら…私も、手伝ってあげる」
A「抜くの手伝っ…!!ぐぅっ!!はぁ…はぁっ……!!」
B「だ、大丈夫??」
A「大丈夫、です…。まだ…まだやれます…!」
B「顔も赤いし、1度横になったら…?」
A「いえ、そんな…本当に大丈夫です……」
B「ベッド……行きましょ…?」
A「っっ!!くぅっ!!!」
B「看病してあげる……私、上手いのよ?」
A「うまっくぅっ!!!」
B「熱あるんじゃない?、触っても、いい…?」
A「サワッはぁッ…!っっぐぅ!!」
B「やだ……すごく…熱い……」
A「やめろおおおおぉぉぉぉぉぉ!!!!!」
B「ひっ!?」
A「惑わせるな!!!俺の思春期を!!!
揺さぶるなぁ!!!!!!」
B「ど、どうしちゃったの!?」
A「はぁ…はぁ……本当は、分かってるんです…」
B「分かってる…?」
A「でも抑えられないんです……俺の…俺の中の思春期が、先生をっ…エロにしてしまうっ……!!」
B「な、なるほど…?」
A「好きな食べ物……」
B「えっ?」
A「好きな食べ物…教えてください」
B「好きな食べ物…うーん…『うどん』かしら」
A「シコシコ!!!!!!!」
B「ひっ!?」
A「言ってる!!俺の中のエロスが!!!虚像の先生が!!!麺がシコシコで美味しいって!!囁いてくる!!まるで悪魔みたいに!!!」
B「し、シコシコ……?」
A「俺はっ、俺は……悔しいっ…!!!ちゃんと向き合ってくれようとしてる先生に対して……こんなっ…こんな劣情しか抱けない…!」
B「春期(ハルキ)君……」
A「憎い…自分の中の思春期がっ!!それを抑えられない俺自身の弱さがっ!!争いに満ちているこの世界がっ!!!たまらなく…憎いっ……!!!」
B「…………合格よ。」
A「……えっ?」
B「合格よ、春期(ハルキ)君。あなたには真実を教えてあげる。」
A「し、真実……?」
B「私ね、昔っからエロかったの…。物心がついた頃にはもう…エロの化身だったわ」
A「物心ついた時…そんなに前から……」
B「もちろん、すごく嫌だった。男からは汚い目で見られるし、女の子からは、男に媚びを売る はしたない女だって言われ続けた……」
A「先生……」
B「それこそ、あなたくらいの歳の頃は、すごーく悩んだわ…。でもね、気づいたの。」
A「気づいた…?いったい何に?」
B「エロはね、許されるの。」
A「許される……?どういう事ですか?」
B「もし人間が2人溺れていて、どちらか片方しか助けられないとしたらどうするか。よくある例え話よね?」
A「はい……」
B「もしそれがエロい女と、エロくない女だったら。あなたならどうする??」
A「そ、そんなの…選べませんよ」
B「没入しなさい!!!」
A「ひっ!?」
B「綺麗事言ってないで没入しなさい!!
時は一刻を争うのよ!!」
A「そ、そんなこと言われても……」
B「沈んでしまうわよ!!!エロ女が!!!」
A「そ、そんな…!」
B「エロくない女も苦しんでるわ!!
もう首から上しか出てない!!」
A「お、俺はどうしたら……!!」
B「両方とも海水で衣服が体に密着してるわ!!
なんていやらしい!!」
A「助けます!!!!!」
B「…………どっちを?」
A「……エロ女…です。」
B「それが答えよ。今の自分の気持ち、説明できる?」
A「最初は命の選択なんて出来ないって思いました。でも、気がついたらエロに、引き寄せられてしまいました……」
B「そう…人の命は平等で、本来選べるはずが無い。でも、選んでしまった。傾くはずのない天秤すらも…歪ませてしまうのよ。」
A「なんて恐ろしい……!」
B「エロは本能に直接干渉するの。人がどれだけ理性で取り繕っても、本能には逆らえない…」
A「人間は…エロには抗えないんですか……?」
B「ほぼ不可能ね。だから私はエロを極めたの。言葉、仕草、技術……今の私は細胞の一片に至るまで、全てがエロで満たされている。」
A「す、すごい……存在そのものをエロに昇華している…!これが先生の真実の姿…!!」
B「現に春期(ハルキ)君、あなたも私の事を許してしまっている。」
A「!?いったい何を…!?」
B「私が君の家庭教師になって3ヶ月…何か変化があった?」
A「??……何もないです。」
B「そう。何も変わっていない……成績もね。」
A「!!!!」
B「当然よ。私にはエロい知識しかないんだから」
A「じゃ、じゃあ!今まで教えてくれていたのは!?」
B「解答をエロく読んでいただけよ」
A「なんやて!!??」
B「でも、貴方も、貴方のご両親も何とも思っていない」
A「ま、まさか……!!」
B「許されるのよ…エロいから。」
A「すごい……!!」
B「この大学に入学したのも、理事長をエロで懐柔したからよ」
A「それって裏口入学なんじゃ……」
B「許されるのよ!!エロいから!!!」
A「凄すぎる……!!」
B「でも柿原君、あなたは抗った。」
A「今だけですよ…いずれは俺も、エロに屈してしまう……」
B「いいえ、ただでさえ思春期は最もエロに敏感な時期。にも関わらず、ここまで抵抗できるのは才能としか言えないわ」
A「才能……?俺にもエロの才能があるんですか…?」
B「ええ、自信を持ちなさい。」
A「こんな俺にも才能があったんだ…!!
…………豆腐先生!!」
B「なに?」
A「教えてください。俺に!!」
B「……ここから先はイバラの道よ?本能に流されて生きていく方がずっと幸せなのよ??」
A「覚悟はできています…!!」
B「良い目ね……覚悟を決めた男の目、好きよ」
A「そう簡単に動じませんよ、これから俺はエロの道を歩むんだから!」
B「ふふっ、生意気言うようになって…。
付いてきなさい!」
A「はいっ!!!」
(どんな困難が待ちうけていようとも、全く怖くない…!だって俺には最高の家庭教師が付いているから!!)
〜fin〜