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フレームワーク:ピラミッドストラクチャー
明けましておめでとうございます。
新年最初の投稿は、論理的思考を学ぶと必ず通る
「ピラミッドストラクチャー」について、ご紹介します。
ピラミッドストラクチャーとは
「主張」や「結論」を頂点に置き、それを支える根拠を下に複数配置し、構造(ストラクチャー)化したもののことを言います。
完成した形がピラミッド型に見えることから、ピラミッドストラクチャーまたはピラミッド構造と呼びます。
ピラミッドストラクチャーは複雑なロジックを目に見える形でわかりやすく整理するためのフレームワークです。
元マッキンゼーのバーバラ・ミント氏によって「考える技術・書く技術」という著書の中で体系化されたもので、論理展開ツールのグローバルスタンダードであると言えます。
どのような場面で使うのか
主に、論理展開のために使用します。
例えば、取引先や上司への提案、プレゼン資料作りなど、相手にわかりやすく伝える際に便利なフレームワークです。
また、自身の思考の整理にも役立てることができ、矛盾がないか思考の妥当性を確認することができます。
似たものに、「ロジックツリー」というフレームワークがあります。
こちらは、主に問題解決の際に使用するもので、ピラミッドストラクチャーと同様に汎用性の高いフレームワークです。
また別の機会にご紹介します。
具体的な作り方
ピラミッドストラクチャーは、以下の順で作成します。
⑴“問い”を立てる。(「何について考えるべきか」を問いの形で明確にする)
⑵その答えである「結論」をピラミッド構造の最上段に持ってくる
⑶結論の下に、それを支える根拠を複数配置する。
⑷根拠の元となる事実(ファクト)を集め、根拠の下段に配置する。
⑸矛盾がないか確認する。(上から下に「なぜ?」、下から上に「だから何?」を繰り返す。)
具体例を当てはめてみましょう。
ビジネスシーンに限らず使用できるので、ここでは日常シーンで考えてみます。
忙しい朝、せっかく朝ごはんを作ったのに、あなたのパートナーが食べてくれません。
ピラミッドストラクチャーを用いて、朝ごはんを食べるよう提案してみましょう。
⑴“問い”を立てる
(「何について考えるべきか」を問いの形で明確にする)
ますは“問い”を立てます。
「朝食を取るべきか?」
“問い”を立てる際は、それに答える形でピラミッドストラクチャーを作成するので、疑問系で立てると良いです。
⑵その答えである「結論」をピラミッド構造の最上段に持ってくる
次に“問い”に対する「結論(答えや主張)」をピラミッド構造の最上段に配置します。
「朝食を取るべきである」
⑶結論の下に、それを支える根拠を複数配置する。
「朝食を取るべきである」という結論を支える根拠を、2〜3つほど書きます。
根拠1 頭が冴える
根拠2 健康に良い
根拠3 活力がみなぎる
図にして記載する際は、ピラミッドの上から2段目にこれらを並列に記載してください。
⑷根拠の元となる事実(ファクト)を集め、根拠の下段に配置する。
根拠1〜3を支える事実(ファクト)を、それぞれの下に記載します。
根拠1−1 咀嚼することで、脳が活性化する
根拠1−2 脳の栄養補給ができ、集中力が向上する
根拠2−1 生活習慣病のリスクが下がる
根拠2−2 メンタルの安定をもたらす
根拠3−1 エネルギーの補給になる
根拠3−2 自律神経が整う
図にして記載する際は、3段目に記載します。
ここまでで一旦、整理してみましょう。
問い「朝食を取るべきか?」
結論「朝食を取るべきである」
根拠1 頭が冴える
根拠1−1 咀嚼することで、脳が活性化する
根拠1−2 脳の栄養補給ができ、集中力が向上する
根拠2 健康に良い
根拠2−1 生活習慣病のリスクが下がる
根拠2−2 メンタルの安定をもたらす
根拠3 活力がみなぎる
根拠3−1 エネルギーの補給になる
根拠3−2 自律神経が整う
⑸矛盾がないか確認する。
(上から下に「なぜ?」、下から上に「だから何?」を繰り返し、ピラミッド構造を完成形に近づけていく。)
ピラミッドが完成したら、矛盾がないかを確認しましょう。
確認する方法としては、上から下に「Why so(なぜ?)」に答えられているか、また下から上に「So what(だから何?)」に答えられているかを確認します。
ますは、上から下に「Why so(なぜ?)」に答えられているか。
結論「朝食を取るべきである」
なぜ?=頭が冴えるから
なぜ?=咀嚼することで、脳が活性化するから
答えられていますね。
それでは、下から上に「So what(だから何?)」には答えられているでしょうか?
「生活習慣病のリスクが下がる」
だから何?:健康に良い
だから何?:朝食を取るべきである
こちらも問題なしです。
以上が、ピラミッドストラクチャーの作成方法です。
このように、ピラミッドストラクチャーは、上から下へ、「なぜ?」「なぜならば」に答える関係に、また下から上へは「だから何?」「つまり」に答える関係になっており、これらが論理関係となっているのが特徴です。
今回は3段構成でピラミッドストラクチャーを作成しましたが、まだまだ下に続けていくことが可能です。
根拠1−1では、「咀嚼することで、脳が活性化する」とありましたが、さらにそれを支える事実(ファクト)、例えば研究結果を下に付け足すことができます。
ピラミッドストラクチャーを作成して相手に見せると、より伝わりやすくなります。
論理的思考を身につけたい方は、ぜひピラミッドストラクチャーで考える習慣を身に付けましょう。