【シェアオフィスASO】
私はシェアオフィスを選んだ。理由は二つ。
①安い
②いろんな起業家と出会える(いろいろ相談しようと思っていた)
シェアオフィスASOは、想像通りいろんなフリーランスや学生さん、プロフェッショナルがくるにぎやかなオフィスだった。自分の得意やスキが仕事になっている、しようとしている人たちはすごくポジティブで、みんなどうしたら実現できるのかを考え行動していた。雇われのときによくしていた、愚痴りあって慰めあう環境じゃない部分にもすごく惹かれた。予想外だったのはシェアオフィスのオーナーがインキュベーションマネージャーという職業の方だったこと。そんな職業があることも知らなかった。
「インキュベータ」とは創業支援をする施設を指して用いられます。具体的な支援を行なう担当者、又は起業家を育てるお世話係を「インキュベーションマネージャー」通称IMと呼んでいます。
オーナーの宮井さんはインキュベーションマネージャーとして年間300人もの起業相談を無料でしているとのことで、シェアオフィスの見学の際2時間くらい、私のやりたいことのヒアリングをしてくれた。医療人ではない方の目線は新鮮だった。
「どんな職業の方でも派遣という働き方は反対ですが、野中さんの考える薬剤師の派遣の構想は、僕はすごくいいと思う」
と言ってくれた。
初めて自分の事業をビジネスとして話して、共感してくれた人と出会えた瞬間だった。
インキュベーションマネージャーと言う職業を知っていたら、悩みに悩んでいた3年間に場違いな場所で何度も必死に熱弁をふるうことはなかった...
宮井さんはその後も事業に対して、どうしたら実現できるのかを一緒に悩み、提案し、行動してくれた。
このとき私は、不安よりもワクワクのほうが勝っていた。名刺ができた、チラシが届いた、HPも完成した。自分の思い描く未来に少しづつ近づいている気がして、毎日から愚痴が消えた。笑顔が増えた。
「ママ、まいにち、にこにこだね、いいことあった?」と、私の変化に最初に気づいたのは長女だった。
会社の名前(屋号)は何にしよう…薬剤師の派遣事業=「薬けん」と命名した。薬局を退職し、大安の日を選んで開業届を税務署へ。
税務署に開業届を提出したとき「どんな事業なのか?」と聞かれた。
「えっと…」
私は社長になりたいんじゃない。一番になりたいんじゃない。上場したいわけでもない。
育児をとるか、仕事をとるか、この二者択一の環境をどうにかしたいだけ。
私の母は仕事を精一杯やり遂げた。子供のころ私は寂しい反面、仕事に情熱を注ぐ母は父親以上にかっこよく見えた。けれど「子育てをおろそかにした....」と今でも後悔していて私に謝ってくる。私は後悔したくない。
仕事も、子育てもどちらも精一杯やりとげたい、ただただ欲張りなだけかもw
「薬剤師の休みづらい環境」という皆んなの困り事を改善する事業です!と税務署の職員にそう答えた。
社会課題を解決することが目的でそれを仕事としているのは起業家、社長は社員の幸せのために仕事をして会社を経営をする人。
私は起業家として一歩を踏み出した!
2017年10月17日「薬けん」開業。