【医療✖️AI】無償で使えるAIツールって進化してる?【データサイエンス】
こんにちは.ヤク学長です. 本日は、無料公開されているAIツールなどを集めてみました.
企業による独占的な情報を有志によって一般公開されていたりするので大変素晴らしい. 熱き思いを持っている医療人が世界にまだ沢山いるということですね.
【MedCheX】 COVID-19による肺炎自動検出AI【台湾】
⭐︎概要⭐︎
COVID-19肺炎自動検出システム「MedCheX」が、台湾の国立成功大学(NCKU: National Cheng Kung University)の研究チームによって開発.
⭐︎方法⭐︎
ディープラーニングベースによる画像認識モデル 「ResNeXt」と「Feature Pyramid Network(FPN)」を組み合わせている.
※ResNeXtは同じ形状のブロックの繰り返しで構成されているcardinalityの要素が新たに追加された精度を向上したもの
⭐︎結果⭐︎
大学によると、検出精度は最大92%に達するとのこと.
リソースはこちら↓↓↓
オンラインで公開されて以来, 61か国のユーザーがこのシステムを利用している。「技術を取得してMedCheXを商業化したい」というオファーもあるようす.
NightingaleOpen Science【AI開発向け大規模医学データベース】
⭐︎概要⭐︎
2021年末にZiad Obermeyer氏が立ち上げたNightingale Open Science(カリフォルニア大学バークレー校の医師). 医学における未解決課題へのAI適用を考えて作られたものであり, 多面的な医学データセットを提供してくれる。(登録が必要)
⭐︎方法⭐︎
多数のデータセットが公開中.
乳がん, 心肺停止, 骨折, COVID-19, X線画像, 心電図波形, 病理標本など医療画像が含まれる. 各画像には, がんステージや重篤度、人工呼吸器を必要としたかどうかなど, 患者の医学的転帰を含めたラベル付けがされている. 今後も拡大する予定とのこと.
⭐︎結果⭐︎
現状の多くの医療用AIアルゴリズムは健康格差を増幅する可能性があるのでは?と言われている. 「質の高いデータ収集と公開」を続けること,で一部の企業・組織に閉じ込められる情報資源を一般に, 公共の利益に資するプラットフォームとすることを目指しているという.
腎容積を自動計算【CNNモデル】【MRI】
⭐︎概要⭐︎
イギリスのノッティンガム大学の研究チームは、健常者および腎臓病患者におけるMRI(T2強調画像)から腎容積を自動計算する深層学習モデルの構築を行ったとのこと. 腎容積は、腎疾患の検出とモニタリングにおける重要な指標となっている.
⭐︎方法⭐︎
研究論文は以下. 30名の健常成人および同数の慢性腎臓病患者におけるMRI画像データから. 畳み込みニューラルネットワーク(CNN)のトレーニングを行ったという.
⭐︎結果⭐︎
「CNNモデルが自動腎セグメンテーションとTKV算出に有用」と結論付けている. 「標準的なオフィスコンピュータで10秒未満のTKV算出が可能」としている.
外科手術後の重篤な合併症予測【AIツール】
⭐︎概要⭐︎
米ペンシルベニア州フィラデルフィアのトーマス・ジェファーソン大学の研究チーム. 外科手術後の脳卒中や腎不全といった重篤な合併症の発現を予測するAIモデルを開発.
⭐︎方法⭐︎
220万人を超える外科患者の臨床データベースを分析し, 重篤な合併症に至るリスク因子を検討. ここから導いた8つの予測因子を用い, 140万人を超える患者データから機械学習モデルのトレーニングを行い, どの患者が腎不全を発症し得るかを正確に予測することに成功.
⭐︎結果⭐︎
このモデルで術後患者の脳卒中や心血管疾患, 死亡といった深刻なイベントのリスク予測モデルも構築し, 脳卒中でAUC 0.87, 死亡で0.92という高い識別精度を示していた.
ユーイング肉腫患者の5年生存率の予測【AIツール】
⭐︎概要⭐︎
中国・福建医科大学などの研究チームは、米国患者データを利用し, ユーイング肉腫患者の5年生存率を個別化予測できる機械学習ツールを開発. ユーイング肉腫は小児期から青年期に好発する悪性骨腫瘍の1つ. これまで予後予測手法は限定的であった.
⭐︎方法⭐︎
研究論文は以下↓↓↓
米国で1975年〜2016年の間にユーイング肉腫に罹患した2,332名の患者データから、機械学習アルゴリズムを導いた. 最も高い予測パフォーマンスを示したランダムフォレストモデルが選択され, 診断時の年齢や性別, 婚姻状況, 原発部位, 腫瘍グレード・ステージ, 放射線治療の有無など13項目から高精度な予測を実現.
⭐︎結果⭐︎
患者コホート全体としては, 5年間の追跡調査による全生存率は60.72%であった. 彼らは「ユーイング肉腫における予後予測のための最初の機械学習ツール」として, 研究成果の重要性を強調している. 現時点で臨床的有効性・妥当性の程度を外的に評価されたわけではない. ベースとなる対象集団が米国人が中心であるためツールの利用には注意が必要ですね.
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