口数の少ない彼女に大ファンがいるらしいけどなんで?
夕飯の買い出しをした帰り道
○(今日肉じゃがにしようかしら)
「あ!!」
後ろからでっかい声が聞こえたもんで
何か事件が起こったかと思って前を見たら
150cmくらいの女の子が
鈍臭い走り方でこっちにきた
美「初めまして!」
○「初めまして…」
あら礼儀正しい
美「遠藤さくらちゃんの彼氏さんですよね!」
○「そ、そうですけど…」
美「私、さくちゃんのファンなんです!」
○「へ〜ファンなんだ…ファン!?」
どういうこと、ほんとにどういうこと?
○「ごめんごめん、ファンって何?」
美「そのままです!さくちゃんの大ファンです!」
話が進まないよ…
○「え…えぇと…さくらはアイドルなの?」
美「はい!」
はいなんだ
○「あ…あっそぉ…?」
申し訳ないけどさくらにそこまでアイドル要素があると思えない
だってあんなに無口なんだもん
美「じゃあここら辺で!さくちゃんをよろしくお願いします」
○「よ…よろしくお願いします」
なんだったんだあの子
ーーーーー
○「さくら」
さ「ん?」
○「今日帰ってる時に女の子に話しかけられてさ」
○「さくちゃんのファンなんです!って」
○「誰か知ってる?」
さ「いひひっ」
なにがおかしいんだ小娘
さ「美緒ちゃん」
○「大学の友達?」
さ「うん」
さ「さくが入学した時からファン」
なんだそれ
○「友達なんだね」
さ「うん!」
○「今度家に呼んでよ、色々話してみたい」
ーーーーー
ピンポーン
○「美緒さんどうも」
美「お邪魔します」
美「くだらないものですが…」
○「あらすいません」
あら礼儀正しい
○「ご飯できてるんでどうぞ」
美「失礼します」
美「さくちゃんはどこにいますか?」
○「今お風呂入っててもうすぐ上がると思いますよ」
美「は、はい!」
この前と違ってめちゃくちゃおとなしいな
ほんとはこういう子なんだろうな
さ「あ、美緒ちゃん」
美「さくちゃんパジャマ!!」
うわうるさ
美「きゃわいい!!!」
ほんとはこういう子なんだろうな
さ「お腹空いた」
○「食べようか」
さ「いひひっ」
楽しそう
○「美緒さんはさくらのどこが好きなの?」
美「でへへ笑」
美「顔が可愛いとかとか〜優しいとことか〜もう上げ出したらキリないです、でへへ笑」
さ「いひひっ」
褒められて嬉しそうですね
美「私、〇〇さんが羨ましくて」
急になに言い出すんだい
美「毎日可愛いさくちゃんを見れるのずるいです!」
美「さくちゃんを私にください!」
○「だめだよ」
さ「いひひっ」
ずっと嬉しそう
ーーーーー
さ「寝る」
お腹がいっぱいになった小さい子が寝室に行きました
○「なんか飲みます?」
○「オレンジジュース好きですか?」
美「じゃあそれいただきます笑」
○「ほんとにさくらのこと好きなんですね」
美「そうです、ちょっと気持ち悪いですよね」
○「そんなことないですよ笑」
○「さくらと仲良くしてくれてありがとうございます」
美「いやいや、こちらこそ仲良くさせてくれてありがとうございます」
美「こういう性格なんで昔から引かれることが多くて…」
美「でもさくちゃんだけは唯一許してくれるというか…」
美「こうやって優しくしてもらえることが嬉しくて」
○「僕もさくらがあんなに喜んでるの初めて見ましたよ笑」
○「グイグイされるの嫌な性格なんでさくらは」
○「それでも嫌がらないのは美緒さんに心を開いてるんだと思いますよ」
○「今後も仲良くしてください」
美「はい!ありがとうございます」
美「さくちゃんを彼女にしていいですか」
それだけはだめです
ーーーーー
美「お世話になりました」
○「手土産ありがとうございます」
さ「ばいばい美緒ちゃん」
美「さくちゃんまたね!」
さ「いひひっ」
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