口数の少ない彼女がイメチェンしてきたんだけど何事?
朝、化粧台の鏡の前で物が落ちる音が聞こえた
がしゃんって音
いつもならない音だったから気になって覗いちゃった
○「どうした?」
さ「あ……あ…」
○「なんか落としちゃった?」
さ「ううん…」
ちいかわみたいな彼女
さくらが指を指す方向を見ると
○「前髪切ったね」
さ「切りすぎた…」
○「あ、確かに」
○「眉毛出てるね」
さ「……」
○「嫌だった?」
さ「うん…」
○「かわいいよ、似合ってる」
さ「嘘」
○「嘘じゃないよ、ちっちゃい子みたいでかわいい」
さ「むっ」
○「ごめんね笑」
○「ご飯食べよっか」
ご飯食べてる間も何回も何回も
前髪を触って
ちょっとだけため息をつく
○「そんな気になる?」
さ「うん…」
○「まぁ気にすんなって」
○「前髪なんてすぐ生えてくるんだから」
○「僕はかわいいと思うよ、すごい似合ってる」
さ「へへっ」
ニヤニヤしててかわいいですね
○「仕事してくるから留守番しててね」
さ「はい」
○「お菓子買ってくるつもりだけど、何かいる?」
さ「…………お煎餅」
○「了解、じゃあね」
ーーーーー
○「あ〜疲れたわ〜」
仕事を押し付けられて結構しんどい
○「煎餅買わなきゃ」
自分から言い出したことだけど
なんとなくめんどくさいことが増えた
○「醤油かな…いや塩か?」
○「いいや、両方買っちゃえ」
家に帰宅するとなんとなく上機嫌だった
○「ただいま」
ニヤニヤしてるさくらが玄関まで迎えにきてくれる
さ「おかえり」
○「お煎餅買ってきたよ」
さ「へへっ」
○「どうしたの?嬉しそうだけど」
○「あ、髪巻いてんじゃん」
ニコニコしてて嬉しそう
○「髪巻いたのいいね、そっちも似合うわ」
さ「うん!」
○「今日から髪巻くの?」
さ「うん!」
さ「ねぇ…かわいい?」
○「うん、かわいいよ」
さ「えへっ」
なんかすごい嬉しそうでよかった
○「なんで巻いたの?」
さ「かっきーが言った」
○「巻いてみなって?」
さ「うん」
○「そしたら自分でも満足いったんだ」
さ「うん!」
○「遥香ちゃんはなんて言ってた?」
さ「いい!」
○「良かったね、好評じゃん」
さ「好き?」
○「うん、好き」
さ「いひひっ」
すごい喜んでるみたいで良かった
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