【初心者向け】TradingViewでフィボナッチ・リトレースメントを使ってトレードする方法
フィボナッチ・リトレースメントは、トレードのエントリーとエグジットの決定、または将来の価格の支持と抵抗のレベルを予測するためにトレーダーが使用する重要なツールの一つです。
特に、価格が大きな動きをした後の可能なリバウンドやリトレースメントのレベルを見つけるために使用されます。
本記事では、TradingViewプラットフォームでフィボナッチリトレースメントをどのように使用するかを初心者の方向けに解説します。
そもそもフィボナッチとは?
フィボナッチというのは、数学者の名前なんです。この数学者さんが作った数のリストが、私たちが今日お話するフィボナッチ数列です。
この数列は、「0」と「1」から始まって、そのあとの数は前の2つの数を足したものになっています。つまり、「2」は「1」+「1」、「3」は「2」+「1」、「5」は「3」+「2」…というようにどんどん大きくなっていきます。
そして、この数列の特別なところは、大きくなっていく数の「割合」が一定に近づくところです。この割合のことを「黄金比」と言います。
このフィボナッチ数列や黄金比、ただ数学的に面白いだけでなく、実際の生活にも色々と活用されているんです。特にお金の世界ではとても大切にされています。なんと、株価の動きを予想する時に使われるツールがあるんです。それが「フィボナッチリトレースメント」です。これを使うと、これから株価がどのくらい上がったり、下がったりするかを予想するのに役立ちますよ。
株価や仮想通貨などの価格が一定期間にわたって上昇したり下降したりした後、その動きが一時的に反転(リトレースメント)する程度を予測する際に使います。
これは市場の参加者(投資家)の心理的な反応を反映したもので、ある価格レベルまで上昇または下降した後、価格はしばしばその上昇または下降範囲の一部を「戻る」傾向があるからです。フィボナッチリトレースメントは、その「戻り」がどの程度になるかを予測するツールです。
その際に、戻る割合としてよく用いられるのがフィボナッチ数列から派生した比率、つまり「黄金比」の0.618やその逆数の1.618、0.382、0.5(黄金分割の近似値)などです。これらの比率を用いて描かれた水平線がフィボナッチリトレースメントで、これらのラインが価格の支持線や抵抗線として機能することが多いとされています。
フィボナッチ数列や黄金比が株価や仮想通貨の価格動向に作用する理由については、完全には解明されていない部分もありますが、その一方でいくつかの解釈や理論が提唱されています。
心理的な自己成就予言:多くのトレーダーがフィボナッチリトレースメントを使用しているため、それ自体が市場の動きを決定する要因になるという説です。つまり、多くのトレーダーが特定のフィボナッチレベルで買いや売りを入れるため、そのレベルで価格が反応するという自己成就的な動きが生じるというものです。
自然の法則の反映:フィボナッチ数列や黄金比が自然界のさまざまな現象で見られるように、それらは何らかの「自然の法則」を反映しているとする説です。市場の動きも一種の自然現象と捉えることができるため、そこにもフィボナッチ数列や黄金比が作用するという考え方です。
しかし、いずれの説にせよ、フィボナッチリトレースメントが「絶対的な予測ツール」ではないことは重要です。これはあくまで一つの指標であり、他のテクニカル分析と組み合わせて使うことが一般的です。それによって、より信頼性の高いトレードの判断を下すことが可能になります。
フィボナッチ・リトレースメントの設定方法
チャート上で正しいツールを選択します: TradingViewの左側のツールバーにある描画ツールの中から、「フィボナッチリトレースメント」ツールを選択します。
トレンドを選択します: フィボナッチリトレースメントは、価格が一定のトレンドを形成しているときに最も効果的です。したがって、まず、リトレースメントラインを描きたいトレンドを見つけます。
2023年年始頃のトレンド転換から、2023年6月時点での最高値を上昇トレンドとして設定してみます。
リトレースメントラインを描きます: 上昇トレンドの場合、ラインはスイングロー(価格が反転したポイント)からスイングハイ(価格がピークに達した後に反転したポイント)まで引かれます。下降トレンドの場合はその逆で、スイングハイからスイングローまでラインを引きます。
リトレースメントレベルを解析します: ラインを引くと、0.0%から100.0%までのリトレースメントレベルが自動的にチャート上に表示されます。フィボナッチリトレースメントツールは、最も一般的なフィボナッチレベル(23.6%、38.2%、50.0%、61.8%、そして78.6%)をデフォルトで含んでいます。
自動で引かれた水平線、これらのレベルは、価格が反転(または「リトレース」)する可能性があるエリアを示しています。つまり、上昇トレンドの場合、価格がこれらのレベルに達したときに一時的に下降する可能性があります。反対に、下降トレンドの場合、これらのレベルは価格が上昇する可能性のあるエリアを示します。
フィボナッチ・リトレースメントの活用の仕方
フィボナッチリトレースメントは、様々なトレーディング戦略の一部として使用されます。一部のトレーダーは、これらのレベルを使用してエントリーポイントを特定します。例えば、上昇トレンドのスイングローからスイングハイまでのリトレースメントのレベルでの購入を考えるかもしれません。
また、フィボナッチリトレースメントはストップロスのレベルを決定するのにも役立ちます。トレーダーは、エントリーポイントよりも少し下のレベルにストップロスを設定することが多いです。これは、市場がエントリーポイント以下に移動した場合に、潜在的な損失を制限するためです。
参考:スイングハイとスイングローを特定の仕方
スイングハイの特定:
まず、価格チャート上で局所的な高値を見つけます。これは、その前後の価格よりも高い価格のポイントを指します。この高値は、アップトレンドの一部であり、これが一旦反転するとスイングハイとなります。
スイングハイは通常、その前後に低い価格があるピークとして表現されます。これは、”高値-低値-高値”のパターンを形成します。
スイングローの特定:
同様に、価格チャート上で局所的な低値を探します。これは、その前後の価格よりも低い価格のポイントを指します。この低値は、ダウントレンドの一部であり、これが一旦反転するとスイングローとなります。
スイングローは通常、その前後に高い価格がある谷として表現されます。これは、”低値-高値-低値”のパターンを形成します。
まとめ
フィボナッチリトレースメントは、市場の可能な支持と抵抗のレベルを見つけるのに役立つ強力なツールです。TradingViewプラットフォームでは、これらのレベルを簡単に描くことができます。しかし、どのトレーディングツールも完全には確実ではないため、フィボナッチリトレースメントもまた最善の推測の一部であることを理解することが重要です。それらは、リスク管理の一環として使用され、他のテクニカル分析ツールと組み合わせて使用することが最善の戦略となります。