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【yakouの戯言】なにもしない、をする。

なにもしない、をする。

「何もしない」というのは意外と難しい。
目を閉じて30秒もすれば、昨日の出来事や、先程までの会話や、嬉しかったことや、恥ずかしかったことなどが、走馬灯のように流れ込んでくる。
気がつけばそのことばかり考えてしまって、あの時ああしておけばよかった、こう言えばもっと別の展開があったのではないか、なんて後悔をしてしまったりする。

それを悪いこととは思わないけれど。

「何もしない」は思うに、脳を休ませることで、思考を整理することで、自分と向き合うことだから、自然と色々思い出してしまうのは仕方のないことなのかもしれない。
眠っていたって人は夢を見るのだから、やはり「無」を貫くというのは難しいことのように思う。

専門的なことはよくわからない。


黄色いくまさんのように、大自然の中でぼーっとできたら最高なのだが、そんな場所にはお金をかけないと行けないので、いつものようにベッドの上にごろんとして、暗い部屋の中で、見慣れた天井を見る。

もしかしなくても、最近はかなり忙しくなってきた。
仕事は頼られることが増えて、関わる人が増えて、今まで以上に求められるスキルも上がった。趣味で始めた創作活動は幸いにも協力者ができて、誰かと一緒にモノを作っていく感覚が楽しくて仕方ない。
仕事もプライベートも、有難いことに充実している。自分で言うのも何だが、おそらく、期待してくれていて、それに応えたいとも思う。

でも、そういう時ほど返って心は不安定になったりするから、気をつけなければならない。目先のことばかりに囚われて、自分を後回しにしてしまうから、知らない間にヒビが入っていることに気づかないのだ。

夢で見た、血まみれになって吐いてしゃがんで、それでも自分が汚してしまった真っ赤な床を懸命に拭くあの娘みたいに、いずれ自分もそうなってしまいそうで。

やらなきゃいけないことばかりで、休んでいる場合でも疲れている場合でもないのだが、そういう時だからこそ、取り返しがつかなくなってしまう前に、勇気を出して「なにもしない」をする。

根本的な課題解決にはならないが、少なくともその壁を越えるだけのエネルギーと冷静さは取り戻すことができる。

自分のことは、自分じゃよくわからないものだ。良い関係を築くために他人と向き合うのと同じくらい、「なにもしない」が必要なんだ。

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