ビスホス剤のアドヒアランス向上を目指して2
心がコロナに感染してきたのか、イライラしている人が増えた気がする。なんか寂しいなあ。早く収束することを祈ります。
さて昨日のつづきですよ。
4 結果
以下の通り、文献から結果を得た。
1) BP製剤におけるアドヒアランス低下の影響・要因
① 治療効果とアドヒアランス
海外の研究では、BP製剤で骨折予防効果を得るには、1年以上の服用と
75%以上のアドヒアランスが必要である(参考文献が古いですが)
参考文献: Siris ES, et al. Mayo Clin Proc. 81(8), 1013-1022,2006
Blouin J et al. Br J Clin Pharmacol, 66,117-27,2008
② 連日服用製剤と週1回服用製剤のアドヒアランスへの影響
BP製剤のアドヒアランスは、1年間の調査で
連日服用は、国内52% 海外39%、
週1製剤は国内78.9% 海外56.7%であるという報告がある。
参考文献: Ettinger MP et al. Endocr Pract. 12(5),522-528,2006
田中郁子 新薬と臨牀 59(9),1666-1672,2010
③ 連日服用製剤と週1回服用製剤のアンケート調査
連日服用製剤を好む理由として、
「飲み忘れが少ない」約70%
「効果が良いと思う」25%
「副作用が少なそう」15%
週1製剤では、週1服用が
「気にならない」51%,「少し不便」44.9%、
「非常に不便」が3.8% であった
連日投与群を好むと回答した182名を調査
田中郁子. 新薬と臨牀 59(9),1666-1672,2010
④ 連日製剤継続群と中止群の比較
65歳以上の患者の方が継続されやすい
BP製剤以外に毎朝服用する薬剤がある患者が連日製剤を継続しやすい
連日投与継続群と中止群の患者背景の調査
田中郁子 新薬と臨牀 59(9), 1666-1672,2010
⑤ BP製剤経験者と未経験者のアドヒアランス
「生活習慣の邪魔になる」「負担である」「連日服用」が最も多く、
ついで週1服用、月1服用と続く
「生活習慣に取入れることができる「指示通りに忘れずに服用できる」
特に週1製剤においては、月1服用と比較して有意に高い
参考文献:田中郁子 新薬と臨牀 59(9),1666-1672,2010
⑥ BP製剤経験者と未経験者のアドヒアランスと治療同意レベル
・BP薬治療経験者は, 週1服用を好む傾向にあった(図3)
・毎日のような服用頻度が多い場合、服用する負担が大きいと感じる
・月1服用は、服用間隔が長く、アドヒアランス低下を懸念する回答
参考文献:田中郁子ら. Therapeutic Research 35(11),1043-1050,2014
今日はここまで。また明日。
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