ビスホス剤のアドヒアランス向上を目指して3
今日は暑い。apple watchで気温を見てみると23度もある。今年も春は短かったな。うちの会社は明日からクールビズ開始だあ。さて続きを。
⑦ BP製剤のアドヒアランスが低い理由の調査
BP製剤のアドヒアランスが低い理由は、
「服薬動機の不足」(21%)、「治療への無理解」(11%)
「薬剤への不信」 (3~5%)、「服薬の不便さ」(14%)
週1製剤の中断理由として
「自己判断」(62.2%)、「副作用」(9.4%)
「短期通院」(7.5%)、「社会的理由」(5.6%)
・先発品において
コストが低い:週1製剤 フォサマック5mg錠(1錠497.1円)
コストが高い:4週毎1回静注 ボナロン点滴静注バッグ900μg
(1バッグ3,969円)
・後発品において
コストが低い:週1製剤 アレンドロン酸35mg(1錠177.7円)
コストが高い:4週毎1回静注 アレンドロン酸点滴静注バッグ900μg
(1バッグ1,290円)
医療費適正化と患者負担軽減の立場からすると、「週1回製剤」の後発医薬品 を選択することが推奨される。
考察
1 BP製剤の有効性を患者に具体的に示す必要がある
定期的に確認することが必要
2 BP製剤に対して安心感が得られるためには、副作用の指導が必要
服薬拒否につながらない頻度で定期的に行う
3 骨粗鬆症治療経験者は週1製剤及び月1製剤の嗜好性が高い
アドヒアランス維持、薬剤費の面でも週1製剤が最適であると推測する
朝の併用薬剤がある場合は、連日製剤も検討する
4 患者の身体的、社会的、精神的要因に合わせた薬剤の選択が必要
医師および薬剤師が、アドヒアランス低下要因を十分に分析し配慮
することは治療効果が上昇することが期待される
5 どの規格の製剤に対しても、薬剤師はアドヒアランスの確認を行い、
飲み忘れ時の対応を指導することが肝要
6 BP製剤の用法、副作用はアドヒアランス低下を招きやすい
海外では徐放性製剤化の研究が進められている
徐放性製剤化によりBP製剤の局所送達が実現すると用法の改定や
副作用軽減に期待ができる
【参考文献】
MachalJ et al, J Tissue Eng Regen Med. 11(6),1723-1731,2017
Liu Y et al, J Mater Sci Mater Med. 28(4),56,2017
Bose S et al, Mater Sci Eng C Mater Biol Appl. 88,166-171,2018
なんとなくBP剤を続けないといけない理由がわかったと思います。
そのために薬剤師は、患者に 何をしないといけないのか、医師に患者のどこを報告すれば良いのか、なんとなくわかったのではないかな。なかなか難しいけど、一度やってみると大丈夫では。
では、また明日。・・・ネタが決まっていないのですが・・・