処方箋薬のデッドストック0を目指して
デッドストック0を、目標とした在庫管理システムができないかを考えています。
これを考え始めたきっかけは、診療報酬の改定が行われて以下
「地域の保険医療機関・同一グループではない保険薬局に対する在庫状況の共有、医薬品融通などを行っていること。」
の項目が追加されて在庫管理システムに注目が集まりました。
この項目が追加された理由には様々な理由があるとは思いますが、社会的な医薬品不足による、出荷規制、入荷不能に陥って、調剤ができない処方が散見された事が一つにあると思います。
地域の在庫管理システム等と最初から大きな目標を掲げていたわけではなく、自社で活用していたシステムを地域に広めて考えたらどうかと思い、近隣の中小チェーン薬局に声をかけさせてもらったのが始まりです。
自社のシステムとは、8件の薬局の決算時の在庫のデータと、毎月の購入履歴を集計したものを利用して、全薬局が他薬局の在庫を閲覧できるように、drop boxで集計ファイルを共有していました。
その際に、優先したのは、手間がかからないことで、基本的に問屋さんの発注システムから出力できるファイルを活用しました。
決算時の在庫データは、1年に在庫数を数えて集計表に在庫数を入力して、全薬局を集計したファイルです。こちらは1年に一回ですので、1年経つ頃には古いデータになってしまうので、あまり見なくなってしまいますが、毎月出力の、1ヶ月の購入履歴のシートは動きもリアルで良く使われる集計表ができました。
この在庫数の集計表を作成する手順は、
処方箋医薬品のデッドストックを考えるときに、特殊な部分が大きく影響していると思います。
まず、処方箋医薬品はその薬の処方のある、処方箋がないと調剤できない事です。
すごく当たり前の事ですが、次回来局を予定して、処方分を準備しておきます。
それが、様々な理由で来局されない事があります。
次回来局されない時点で、すぐにデッドストックとなります。そうすると、取れる方法は、この薬を薬価で請求できるようにするには、準備した患者様が再び来局するか?他に同じ薬が処方された処方箋が持ち込まれるのを、待つしかありません。
一般の商品の様にこちら市場価値と比較して、値付けをして販売すると言う行為は不可能です。
そうすると、前に書いた様に、その薬が記載された処方箋を待ちますが、来なかったら、期限を過ぎた翌日に、全く価値のない廃棄薬となってしまいます。
だったら、引き取り業者へとなるわけですが、引き取り業者は当初から、値引きをした価格でしか引き取ってもらうことはできません。
この二者のどちらを選ぶかジレンマに落ち入り、日々を過ごしていく間に期限が過ぎていることが多いです。