3/29 漢方薬、一般的に

今日は、処方箋における漢方薬について教わった。
患者①: 芍薬甘草湯エキス顆粒2.5g/分1/就寝前/28日分の処方。この患者さんはH23.4に、夜就寝時のこむら返りの訴えがあり、芍薬甘草湯14日分(他の併用薬28日分に対して)が処方され、状況に応じて飲むようにとの服薬指導がなされた。翌月、毎日服用したいとのことで、他併用薬と同日数分処方されるようになり、現在まで毎日服用し続けている。芍薬甘草湯は、日局カンゾウと日局シャクヤクを主成分とする漢方薬で、患者さんの体力に関わらず使用でき、筋肉の急激なけいれんを伴う痛み(こむら返り、生理時の腹痛、腰痛など)に効果を示す。漢方医学でいう全身に栄養を運ぶ「血」が不足すると、筋肉に栄養が行き渡らなくなり痛みが起こると考えられ、芍薬甘草湯は不足した「血」を補うことで筋肉の過剰な緊張やけいれんを鎮める。
漢方医学的考え方(OTCなど)では、患者から証を取り、症状に対して漢方薬を提案する(随証治療)が、処方箋薬で漢方が出る場合はどちらかというと西洋薬のような処方意図となる。
また、疑義照会の事例があったので、取り上げる。前回処方時に、ビラノアを就寝前服用で処方された患者さんが来局された。この患者さんは"寝る前に飲むと次の日の夕方には薬の効果が切れてる感じがするので、朝飲みたい"と医師に訴えたため、医師はビラノアを朝食後服用で処方した。しかし、添付文書によるとビラノアは、1日1回空腹時に経口投与するアレルギー性鼻炎•蕁麻疹の薬であることから、"朝食後服用"となっている処方箋について疑義照会し、"朝食前服用"で患者さんに処方した。実際に疑義照会の場面を目の当たりにすると、薬剤師の監査力、知識、判断力を持っていることは大前提として、その迅速さを実感した。