好きな事を仕事にする「キャンプ場をやりたい!」
「ここしかない!」
目の前に十勝岳連峰を望み、広く平坦な場所。
ぐるっと周りを見渡すと、なんと道路向かいに浄水場が。それに電信柱もあるので電気も通せる。キャンプ場を開設するにあたってインフラ整備は重要。これで「水」と「電気」は何とか大丈夫そうだ。そう思い、これからの事で頭の中いっぱい、ワクワクする気持ちを滲ませながらその日は帰宅。
後日、「ここしかない!」と決めた場所で撮影したビデオを何度も見ながらキャンプ場の造成計画図面を起こし、建物の配置やデザイン、サイトの広さ等、図面を描いているだけで楽しくて仕方がなかった。
それと同時に、その場所が美瑛町だった為、その街に移住する決意を両親や周りの人に理解していただくのと、美瑛町が主催している「移住セミナー」に何度も通って、直接移住者にお話を聞いたり、役場職員の説明で、移住に対する不安を和らげていった。
その中で、役場の担当者に移住の目的と移住後の生活について色々と相談していると、先ずは事業計画書を提出して欲しいという事でしたので、キャンプ場の図面と共に造成予算、年間収支計画等の書類も制作。それと同時に、キャンプ場造成には欠かせない小型パワーショベルと4tユニックを中古で購入したり刈り払い機やチェーンソー等も揃えて準備万端にした。元々オートバイをイジったり機械に触れる事が大好きなので、これから活躍してくれる機械達に囲まれているだけでもワクワクした。
その矢先…事件は起こった。
ある日、パソコンにメールが届いていて、送信者は美瑛町の担当者。
「何の要件だろう?」
恐る恐る開封すると、そこには…
「あの場所は残念ながらお貸し出来ない」
「向かいの浄水場は隣町の水道なので水は引けない」という事が書いてあり…
一瞬固まった。
というか暫く固まったまま…。
「音をたてて夢崩れ去る」瞬間だった。
買い揃えた重機類が勇足だった後悔…
楽し過ぎて睡眠も忘れて朝まで描き続けた図面と事業計画書…
それら全てが正に「夢」となった。
でも、文章には続きがあった。
お気持ち(私の)は充分理解している。
なので、是非この街に来て欲しい。
そこで、お仕事として、町で管理しているキャンプ場の管理の仕事をしてみないか?
という内容だった。
「それもアリか。」
町の担当者曰く、「先ずは町のキャンプ場管理人をやりながら、別の場所を探したらいいのではないか」という提案だった。
そこからは、話しが進むのが早かった。
続く。
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