第62回宣伝会議賞 全協賛企業短評
< まえがき >
第62回宣伝会議賞の協賛企業第1弾20社が発表された。俺みたいな宣伝会議賞老害ともなると協賛企業見ただけで酒が飲めるレベルなので出題予想を公開してみる。もうモチベも体力もなくてフル応募など夢のまた夢、今回も100本出せれば御の字みたいなとこあるので本気度も高くなく、誰かのヒントになってしまってもそれはそれでいいかーという感じなので。数年前から始まった協賛企業の先行発表だが、企業がわかったからといって課題の内容なんてほぼわからないのであまり意味はない。素直に課題発表を待ったほうがいい。ただ課題を決め打ちして書き溜めることは経験値的にも無駄になることではないので、本番までの腕試しにはちょうどいいかと。
協賛数20社に関してはこんなもんだろう。第2弾以降を考えても最終的には25社から30社くらいという予想。やるやらないは別として、ティザーサイト掲載順にひととおり見ていくこととする。フル応募する方は頑張ってほしい。
短評に関しては、当然のようにSKAT全巻が手元にあることを前提としている。持ってない人は全部買おう!(露骨な宣伝)
あとデジタル版移行後は何巻に当たるか不明だが、便宜上デジタル版含めSKAT23まで出ているということにする。大まかな目安として、SKAT23は2023年応募にあたるので、例えばSKAT5といったら2005年の課題なんだなーという認識でOKなはず。付け加えるが、ガッツリ調査して書いているわけではないので、どのSKATに掲載されてるかなどの情報は間違っている可能性があります。
< 1 エバラ食品工業 >
過去にも協賛があった課題。エバラといえば焼肉のタレなので、焼肉のタレのコピーを今から書き溜めておくというのもアリかもしれない。だが浅漬けの素やプチっと鍋など、その他商品もたくさんあるので書き溜めが無駄になる可能性も大きいだろう、というのが正直なところ。そもそもSKAT11での同社からの出題は「横浜舶来亭」というフレーク状のカレールーだった。トリッキーすぎるだろ。逆に「エバラ食品そのもののコピーを考えてください」的な企業広告系は求められないであろう。
焼肉のタレで決め打ちするなら、SKAT8のモランボンなどが参考になりそうだ。過去の類題を確認しておくのは重要で、切り口や方向性の参考にもなるし、無意識のパクリ防止にもなる。ただこれには限度があるしSKAT全部を確認するなど現実的ではないので、過去の作品と似たコピーは事務局側で弾いてほしいというのが本音だが全部は難しいんだろうなあ。
< 2 オリジナルテクスト >
初登場課題。カシワバラコーポレーションという不動産関連の企業のクリエイティブ部門が株式会社オリジナルテクストってことなのか???不動産といっても新築かリフォームか、戸建てかマンションか、メンテナンス関係なのか、海外も視野に入れているのかなどを考えないといけないし、クリエイティブ部門そのものをPRするコピーなのかもしれないし、これはさすがに課題発表を待たないと全然わからん。
< 3 キーエンス >
初登場課題。あのキーエンスか!激務かつ高給で有名な!BtoBの測定機器っていうイメージなので、似た課題としてはSKAT16ミツトヨあたりか?全然違う気もする。キーエンス自体の企業広告っぽいコピーを求められる気がするので、過去のSKATはあまり参考にならなさそう。さすがに特定の商品のコピーが求められることはない気がする。SKATを読んでおくというよりは過去のネットニュースを漁っておくほうが役に立ちそう。営業方法とかマーケティングの記事たくさん出てるし。あとは新卒採用のページを参考に企業の概要を知っておくとか。
< 4 クレディセゾン >
超常連。どのSKATにも載ってるのでは?ただ出題は絞りにくく、クレジットカードを持ってもらう、現金との比較、キャッシュレス決済などどれが問われるかはわからない。前回に至っては赤城自然園のCMのみとかいう大変やりにくい出題だったこともあり、これも素直に課題発表を待ったほうがよさそう。
< 5 KDDI >
なんか見覚えあると思って調べたらSKAT2に企業広告での出題があった。ただ時代が違いすぎる。当時は携帯電話が普及している途上にあって、今みたいな1人1台スマホ持ってるみたいな時代ではないため参考にすべきではない。KDDIの何のサービスのコピーかもわからないし、これも課題発表待ち。待ちばっかりだなこの短評。意味ないのでは?
ドコモとかNTTの課題は以前にも何度か出題があるものの、企業名から課題を予想するのはあまりにも無理がある。
< 6 鴻池運輸 >
初登場。物流関係の課題ってなんかあったっけ。あれか、SKAT18の日通商事か。事業領域も広いし大企業だし、ひとつの事業のコピーというより企業広告のコピー、物流全体のコピーが求められる感じになりそう。難しそうな課題だから取り組む人も少なそうだが、だからこそ協賛企業賞のチャンスがありそうな課題という印象。こういう課題こそが宣伝会議賞の醍醐味のひとつ。
< 7 サントリー >
これも超常連。直近で見てもSKAT23でC.C.Lemon、22で麦茶、21で強炭酸水と、ひとつの商品に絞ったコピーの課題が続く。かといって今回どの商品が出るかわかるわけでもないので発表待ち。
< 8 三和物産 >
初登場。へー葬祭商社なんだ!このジャンル自体の出題が初めてなのでは?他のラジオCM公募とかでは見かけるイメージあるけど。お線香の課題とかは宣伝会議賞でもあったっけ。覚えてないなあ。とにかくこれは切り口がたくさんあってやりがいがありそう。ひとつの商品が課題になるのか会社のコピーなのか、一応予想しておくと「葬祭用品の企画や販売を行う三和物産のコピーを考えてください」的な企業広告になるのではないか。で、葬儀に対する姿勢や思いを企業の立場から伝えるコピーが採用されそう。なんか当たり前のことしか言ってないけど。
< 9 SQUIZ >
初登場。SQUIZでOopsのロゴということは、オンライン診療サービスのコピーか。対面では相談しにくいAGA、ED、ピル処方などをオンラインで受け付けると。なるほど。社会的な意義が大きそうな課題だ。ファイナリストに絡む確率が高そう。グランプリ狙いの人はこの課題を重視したほうがいい。どれかひとつのサービスに絞った課題というよりは、「オンライン診療サービス」そのもののコピーが出題されそう。
< 10 住友ゴム工業 >
これ過去にもあったっけ?住友ゴム自体の協賛は初めてかもしれないが、過去に同じ業界の出題は多数ある。ブリヂストンとか東洋ゴムとか。素直にタイヤのコピーが出題されるかそうじゃないのか。タイヤ以外の商品もたくさんあるしBtoBの課題かもしれないし、まあ出題されてみないとわからんな。ここはタイヤ安全性を表現するコピー一本に絞って書き始めるのも有効かもしれない。
< 11 先端加速器科学技術推進協議会 >
2回目の出題。まじか。ここがリピートで出てくるとは思わなかった。前回はSKAT19でILC(国際リニアコライダー)の課題。なんのこっちゃ。当時はフル応募していたが、100本書くのは相当大変だった記憶がある。これは当時のSKATを読んで、こういう難課題に対してどういう切り口のコピーが一次通過していたのかを参考にするのは非常に有効だと思う。
< 12 Tetra Tokyo >
2年連続の出題。ていうか去年、課題を見ても何のコピー書けばいいか迷ったやつだ。またAIコピーの課題なのか?何のコピー書けばいいのかくらいは明確にしてもらえるとありがたい。逆に言うと、一次通過コピーはどういう方法でわかりにくい課題を突破したかは去年のSKATが参考になるはず。課題を見ても何すればいいかわからない、という出題は年にいくつか登場するので、それに対応するにはどうしたらよいかを考えておくのはいい訓練になる。しかし定期購読しないと確認できない仕組みは何とかならんものか。
< 13 TOPPANエッジ >
近年よく見るTOPPAN。事業も多岐に渡るし前回課題はセリフをコピーにするといった少し珍しい形式だったこともあって発表待ちだな。これを事前に書き溜めるのはさすがに無理がありすぎる。
< 14 西川 >
初登場だと思う。寝具関係の課題が過去にあったかどうかパッと思い出せないが、企業広告ではなく何かひとつの商品のコピーが出題されると思う。企業コピーはもう「よく眠り、よく生きる。」で完結してる気がするので。寝具とか睡眠は身近な事象なのでコピーは書きやすそう。ってみんな思ってるからこそ激戦になるはずなので、深入りはせずサラッと終わらせたい。
ただ近年の傾向として、こういう「商品のコピーが出題されるだろ」みたいな予想をしたときに限って「8時間睡眠の重要性を訴えるコピー」みたいな出題をされることも多い気がしている。あと「大谷翔平も睡眠時間が長い」系のコピーが5億本提出されると思っている。
< 15 日本レジストリサービス >
超常連。ドメインのコピーか認知度向上のコピーか、前回のようなインターネットの重要性のコピーか。毎年見かける企業ほど、実際の課題の内容は予想しにくい。
< 16 パナソニック >
これまた超常連。扱う商品が多すぎて予想不可。人材募集のコピーの時もあったりするし。もう逆に家電のコピーとか想像しやすい課題は出ない感じがする。
< 17 平松剛法律事務所 >
2年連続の出題。たぶん前回初参加してみて、いいコピーがたくさんあったから今年も協賛してくれたんだろう。前回とほぼ同じ内容のコピーを求められる可能性も十分にあるので、SKAT23(オンライン)を参考にしつつ書き溜めておくのも有効かもしれない。一方で、「離婚に強い」「相続に強い」など特定ジャンルの相談内容を指定しての出題も考えられる。
< 18 マスメディアン >
超常連。もう「広告業界に入りたくなるコピー」と決め打って書いておけば100%無駄になるなんてことはないだろう。たまに特定のサービスを指定しての出題もある。SKAT16しゅふクリ・ママクリみたいな。
< 19 松井証券 >
何回か協賛してるはず。類題も多い。このジャンルはほぼ「投資に興味を持ってもらうコピー」で決め打っていいだろうと思っている。株式投資ね。まさかFXを勧めるコピーとかはないだろう。
< 20 ヤプリ >
初登場。アプリプラットフォームのサービスか。今っぽい課題だな。これは変にひねって考えなくても、このサービスの知名度を上げるためのコピーを書いておけば間違いなさそうだ。正直全く知らない名前だったので下調べが求められる。
< 総評 >
ジャンルの偏りも少なく、初登場から超常連までバランスの良い出題。例年よく見る大学、酒類、スキンケア用品などがないので、このあたりから追加課題が発表されそう。しかし中高生部門の協賛増えたなー。将来的には宣伝会議賞自体が中高生部門のほうをメインしていくのだろう。ひとまず今年も一般部門が消滅することなく無事に開催されることがわかって何よりである。
個人的には年々落ちていくモチベとどう向き合っていくか。応募期間のことを考えると気が重いが、もうフル応募を義務とすることもないので、やりたい課題だけピックアップして無理のない範囲で取り組もうと思う。