NEWS「NO,11アメリカ中間選挙」
1,大統領の評価
中間選挙は今日までの大統領の2年間を評価するための選挙と言われている。民主党には残念なお知らせであるが、与党は中間選挙では悉く勝てない。過去40回で与党が勝利したのは僅かに4回である。今回も民主党が敗北する公算が高い。バイデン政権はインフレ対策や移民問題等で国民からの支持を得られていない。負け方が大事であるが、仮に惨敗(上院及び下院で敗北)を喫してしまうとレームダック状態に陥り今後2年間の政権運営が儘ならない可能性が高まってくる。インフレという国民自身の生活に直結する問題にうまく対処できていないため、私は中間選挙の結果は厳しいものになると考えている。現状の見方としては、下院は共和党が優勢である一方で上院は辛うじて民主党が勝利できる可能性が残されているが拮抗しているという調査もある。
2,トランプ氏の影
今回の中間選挙でもトランプ氏の影が色濃く反映されている。共和党の予備選挙ではトランプ氏が予備選で推挙する候補者が続々と候補指名されている。勝率は圧倒的である。現在も共和党員の約6割程度はトランプ氏支持者であると言われていれ大統領に再び就任するべきと考える人も約4割程度いる。トランプ支持者を全有権者数に換算すると2割程度にはなる。共和党も彼らの支持を取り付けなければ望む結果を得られないかも知れない。トランプ氏が次期大統領選の予備選に出馬するかは不明だがキングメーカーとして振舞う可能性もある。しかし、大統領は国民が選ぶため仮にトランプ氏が候補者として選出されても現状ではあまり国民からの支持率が高くないトランプ氏で勝てるのかというジレンマも共和党は抱える。
3,中間選挙の争点
中間選挙の争点となるのはやはりインフレ対策である。アメリカは賃金上昇が物価上昇に追いつかずまたその伸び率も著しい。FRBは過熱しすぎた景気を冷やすために利上げを敢行しているが前例のない利上げは想像以上に景気を傷めてしまう可能性がある。本来は、政府と一体となって金融政策を実行していくが、バイデン政権が中間選挙のために国民が不景気になる可能性のある政策を実行できないため FRBとしては自分達の職責を会見で何回も説明しなければいけなくなっている。その他にも人工妊娠中絶問題や銃規制を巡る問題も争点である。
中間選挙が終了したらいよいよ大統領選への期間に突入するが、現状ではバイデン大統領の人気は低い。かと言って副大統領であるハリス氏の支持率はバイデン氏を下回る。この様な状況で民主党としては難しい舵取りを迫られている。