私たち 痛ファンくらいが ちょうどいい——推し活の加害性を考える
なんかもう常に、
「自分は痛くてキモいオタクなのである」
と肝に銘じてオタクやらなきゃだめですよね、男女問わず。
というのが個人的な意見です。
こんなもん誇るもんでもなんでもありませんが、気付けば性根がオタク、大学時代にはオタクの友人と、
「オタクってさあ…ジャンルとか対象とかじゃなくて、己の『業(カルマ)』じゃない?」
などと話した覚えがあります。
要するに何を好きになっても愛し方がオタクになってしまうので、己の背負うオタクみを自覚して生きるしかないという境地です。
実際のところ、
アニメ、マンガ、ドラマ、お笑い、音楽…
色々挙げてみても、すぐに長文インターネット早口ご意見表明解釈ポストしないと咀嚼した気がしませんし、
そもそも咀嚼したい、体系的に捉え直したい、自分の中で再構成してンッフフと自己満足したい。
気持ち悪いですよね。書いていても気持ち悪いです。
いわゆる「推し」ができた時は推しの名前が祝詞になりますし、
深夜にツイッター(現X)で140字パンッパンのツイートを連投しまくったりします。
「所詮はグッズなんて諸行無常…」と言った舌の根の乾かぬ内に「ウヒョ〜新規ビジュ〜!↑↑↑」などとのたまっていることが幾度繰り返されたことでしょうか。
今でこそ「推し活」なんてポップにされてますが、
二次元オタ・ドルオタ・バンギャなどの文化の共通項でマーケティングしやすい部分が「推し活グッズ売り場」に広がっているだけであって、
推しとオタクのせめぎ合い(と敢えて表現します)は悠久の時を経て構築されてきているわけですよ。
その辺は絶対私より詳しい人いると思うので割愛しますが…
ではなぜ「せめぎ合い」に触れたか。
冒頭の話をしたかったからです。
「痛バッグ」「痛ネイル」「痛車」の「痛」はいわゆる謙譲語です。
「オタクの僕が私がグッズを使って畏れながらクリエーションをしてしまいました」
の「痛」なんです。
あまりに「推す」ことが普通になっている今、この謙譲の意識、足りてますか?
と、ある悲しい報せを機に、この廃屋のようなnoteにでも書くか…と思い立ったのでした。
・推すということそのものの孕む一方性
・理想の型(キャラクターともいう)にはめ、勝手にそれらしく振る舞うことを期待し、あるいは勝手に裏切られて失望する
・推しの発言、SNSの発信、(2次元なら)セリフや表情から解釈を膨らませる
オタクであればなんとなく身に覚えのある、あるいはオーバーキルしてしまっている方がいたら申し訳ありません。
これらは「推し」とされる方々の人間性を(時に一切)無視して行われるという点では加害なのです。
だから、「自分がオタクで○○さんを推しているというのは大前提として痛くてキモいことである」と肝に銘じ、各々の活動をする、
それだけで気付く「あれ、これもしかして推しにご迷惑かけない?」があるかもしれない。
乾杯日本の衆、一層老いも若いも推しファーストであれ。
いつしかオタクは傲慢になってしまった。
それはマーケットがあまりにも大きくなりすぎてしまったからかもしれない。
しかし自らの言動を省みることなく、膨張する市場とメディアに踊らされるがまま、
「オタクは誇れる」と誤った自我が芽生え始めてはいまいか。
誇るな。日陰にいろ。
所詮、オタクは推しに生かされているだけの存在でしかないのだから。
↓こっからはマジで法律マター↓
・あらゆるハラスメント行為
・プライバシーの侵害
・著作権、肖像権の侵害
・特定(何がとは言わない)
本当はこっちの方にめちゃめちゃ言及したいです。
しかし私には専門的知識がないし、特定の誰かを推測させたくなかった。
したがって個人的にある程度言及可能な側面について、
あくまで個人的ながら、ジェーン・スーさんのお言葉に力を借りて意見を述べようと思った次第です。
当初、この記事のタイトルは「推すことはマイルドな加害であるってスーさんが言ってたの思い出す」だったのですが、表題が雑だった上に、ジェーン・スーさんに飛び火しないよう改題いたしました。
元ネタは分かる方が分かってくださったら嬉しいのですが、
おそらくこの記事を読む層にはいらっしゃらない気がします。なにせ女児アニメですので……
脱線してしまいました。
この発言をなさっていた気がする、二村ヒトシさん×ジェーン・スーさんの対談記事のリンクを貼ろうとしたらリンク切れになっていたので、
「対象について一切描写がないことでオタク全員が共感して死ぬ奇跡のエッセイ」のリンクと、こちらが収録されている単行本のリンクを貼っておきます。
そして私が最も心臓に重い一撃を喰らった一節でこの記事を締めたいと思います。
———好き勝手な解釈を図々しくも「発見」と名づけ、理解が進んだと快哉(かいさい)を叫ぶ。過熱した推し活はライトな人権蹂躙だ。
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