芸術史講義(アジア)1 先史時代から清時代にいたるまでの流れについて
中国美術は先史時代の彩陶と黒陶からはじまる。 殷王朝後期の殷墟では甲骨文字が青銅器に彫られていた。武官村大墓から饕餮文方鼎「司母戊」銘が出土した。この文様から祭器であると同時に王権の象徴であったことがわかる。 周代、青銅器は王室から家臣へ下賜されるものとなった。最長の銘文を持つ「毛公鼎」は西周時代後期のものである。 春秋時代末期の曾候乙墓には、漆器と青銅器の高度な技術が見られる。 前漢時代の馬王推漢墓では棺の上に彩絵帛画がかけられており、墓主が死後龍に乗って天上世界に昇仙することを願う当時の世界観が明らかになった。 三国・南北朝時代になると、絵画では顧愷之(女史箴図、洛神賦図)、書では王義之(蘭亭序)が現れた。「画雲台山記」では山水画について説かれ、六朝時代に基本理念が決定し、後世へと受け継がれていった。 後漢から南北朝時代にかけて仏教がシルクロードを経て伝わる。
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