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尾上与一作品の最新刊情報・オススメ作品・著作一覧とシリーズ作品まとめ
この記事では、尾上与一先生の最新刊情報とオススメ作品を紹介しています。
また、著作のうちの商業出版物を追える限りすべて網羅し、ジャンル別に分けています。
なお、新装版などが出ている作品は、原則最新のものを紹介しています。
※これから紹介するものの中には中古でしか入手できないものもあります。中古での購入には駿河屋がオススメです。
尾上与一の最新刊情報
尾上与一先生の最新刊は、2025年2月27日発売の『彩雲の城』(過去作品の文庫化)です。
さらに、4月25日には『郵便飛行機より愛を込めて』(過去作品の文庫化)、6月27日には『謹製ヘルブック』(過去作品の文庫化)の発売も決まっています。※Amazonで予約が始まり次第リンク貼ります
尾上与一のオススメ作品
尾上与一先生の著作の中で一番のオススメは、戦時中の海軍を舞台にした『天球儀の海』から始まる「1945シリーズ」です。
西洋ファンタジー風の世界観が好きな方は「花降る王子の婚礼シリーズ」も楽しめると思います。
がっつり濡れ場があるBLが好きな方には「奇跡の泉シリーズ」と『さよならトロイメライ』をオススメします。
※それぞれの作品の詳しい内容についてはこの後の著作一覧で触れています。
尾上与一先生は作品によってガラッと作風が変わる作家さんなので、いろんな雰囲気のBLを楽しみたい方にオススメです。ジャンルを問わず何でも描ける器用さがあり、どれを読んでもちゃんとおもしろいです。
西洋ファンタジーBL
尾上先生は一風変わった設定の作品が多く、その中でも西洋ファンタジーは代表作のひとつとなっています。
魔法使いや騎士が登場する西洋風の世界観で描かれるBLは非日常感が格別。
現代の日本ではあり得ない展開も可能にしてしまうところが売りです。
「花降る王子の婚礼シリーズ」 既刊4巻
レーベル:キャラ文庫
イラスト:yoco
『花降る王子の婚礼』 2020年7月刊行
『雪降る王妃と春のめざめ 花降る王子の婚礼2』 2021年4月刊行
『氷雪の王子と神の心臓』 2022年6月刊行
『虹色の石と赤腕の騎士 花降る王子の婚礼3』 2023年11月刊行
王族同士の婚礼を描いたこのシリーズは、2023年11月時点では4巻まで刊行されています。
受けが魔法使いで、攻めに魔力を供給するには体を繋げて契約を結ぶ必要があるというファンタジーならではの設定が楽しいです。
また、『キャラ文庫アンソロジーIV 瑪瑙』には、このシリーズの番外編が収録されています。
さらに、同人誌にていくつか番外編も出ています。
それぞれの詳しい内容とオススメの読む順番はこちらの記事にまとめています。
「奇跡の泉シリーズ」 全2巻
レーベル:CROSS NOVELS
イラスト:央川みはら
『アヴァロンの東~奇跡の泉・金~』 2019年3月刊行
『ルドヴィカの騎士~奇跡の泉・銀~』 2019年3月刊行
兄弟編として同時発売されたシリーズで、1巻の受けと2巻の受けが兄弟(1巻が弟で2巻が兄)です。
登場人物は重複していますが、どちらから読んでも問題ない作りになっています。
1巻の『アヴァロンの東~奇跡の泉・金~』は、内乱によって敵同士になってしまった兄弟分の騎士の物語です。
一途な赤髪の騎士×力を持つ教会の家に生まれた修道騎士。
結構過激な濡れ場があります。
2巻の『ルドヴィカの騎士~奇跡の泉・銀~』は、奇跡の力を持つ司祭(受)と彼を守るために騎士になった青年(攻)の主従ものです。
1巻と比べるとラブシーンはおとなしめ。
どちらも体格差カップルで美人受けです。
電子書籍版には書き下ろしのSS付き。
和風歴史BL
尾上先生のもうひとつの代表作が、緻密な時代背景が魅力の歴史ものです。
同人誌で本編のその後が描かれている作品が多いので、尾上先生としてもお気に入りのカップルたちのようです。
「1945シリーズ」 既刊7巻
レーベル:Holly NOVELS→キャラ文庫
イラスト:牧
『天球儀の海』 2012年10月刊行→2024年4月文庫化
『碧のかたみ』 2013年8月刊行→2024年6月文庫化
『彩雲の城』 2014年11月刊行→2025年2月文庫化予定
『蒼穹のローレライ』 2015年10月刊行→2024年2月文庫化
『プルメリアのころ。』 2016年2月刊行→2024年8月文庫化
『郵便飛行機より愛を込めて ブルーグラフ1945』 2016年8月刊行→2025年4月文庫化予定
『謹製ヘルブック ブルーグラフ1945』 2017年6月刊行→2025年6月文庫化予定
戦時中の日本を舞台にしたBL小説で、5作の本編と2作の番外編があります。
海軍に所属する5組のカップルを描いていて、尾上先生の著作の中でも一番の人気シリーズです。
また、『HOLLY MIX』というアンソロジーにはこのシリーズの2巻にあたる『碧のかたみ』の番外編が収録されています。
長らく絶版になっていた「1945シリーズ」ですが、2024年2月にキャラ文庫から文庫化が始まりました。
文庫化第1弾は『蒼穹のローレライ』(2024年2月27日発売)。その後、『天球儀の海』(2024年4月26日発売)、『碧のかたみ』(2024年6月27日発売)、『プルメリアのころ。』(2024年8月27日発売予定)と文庫化されました。
2025年2月には『彩雲の城』の文庫化が決まっており、その後、4月に『郵便飛行機より愛を込めて』、6月に『謹製ヘルブック』が文庫化予定。
さらに『碧のかたみ』は、構成・近江谷先生、作画・よこやま先生でコミカライズ連載中です。※Kindleでは1話無料。
それぞれの詳しい内容とオススメの読む順番、再販情報や漫画化情報についてはこちらの記事にまとめています。
『さよならトロイメライ』 2017年1月刊行
レーベル:Holly NOVELS
イラスト:笠井あゆみ
大正時代を舞台にした主従BLです。
商家の有能お坊ちゃま×忠誠心の強い執事の身分違いの恋を描いていて、尾上先生の著作の中で最も過激な作品だと思います。
受けが攻め以外の男に抱かれる描写があるのと、どちらかというとメリバエンドなので気になる方はご注意ください。
こちらも2023年現在は絶版になっていて駿河屋などの中古ショップでしか流通していませんが、今後再販の予定があるそうです。
また、『さよならトロイメライ』に関しては、商業番外編同人誌として『黒猫のためのパッサカリア』という作品が出ています。
『さよならトロイメライ』に登場する家令・黒田の若かりし頃の恋を描いた話で、個人的には『さよならトロイメライ』を楽しむなら必読の同人誌だと思います。
同人誌なので、入手できるかどうかはタイミング次第ですが、BOOTH、コミコミスタジオ、フロマージュブックスなどで探してみてください。
駿河屋などの中古ショップでも手に入ることがあります。
現代BL
単巻作品では現代を舞台にしたBLもたくさん手掛けています。
『二月病』 2012年2月刊行
レーベル:Holly NOVELS
イラスト:黒沢要
尾上先生のデビュー作で、香川県を舞台にしたサスペンスBLです。
無自覚のモテモテノンケ×一途でピュアな頑固少年の高校生カップル。
BL作品では珍しいサスペンスミステリーの要素がある作品です。
2023年7月現在は絶版になっているので、手に入るのは駿河屋などの中古ショップで流通している古本のみです。→駿河屋.JP|ボーイズラブ小説 二月病 / 尾上与一
また、『HOLLY MIX』というアンソロジーに番外編が収録されています。
『彼岸の赤』 2012年3月刊行
レーベル:ドルチェノベルズ
イラスト:コウキ。
不運な元ヤクザ×薄幸の僧侶の切ないラブストーリーです。
俺様攻め、健気受け、体格差カップルが好きな方にオススメ。
2023年7月現在は絶版になっているので、手に入るのは駿河屋などの中古ショップで流通している古本のみです。→駿河屋.JP|ボーイズラブ小説 彼岸の赤
『初恋をやりなおすにあたって』 2019年8月刊行
レーベル:キャラ文庫
イラスト:木下けい子
13年越しの恋を描いたピュアな作品で、尾上先生の趣味の1つである将棋が題材になっているのも魅力です。
器用で人気者の何でも屋×意地っ張りで頑固な天才棋士。
電子版には書き下ろしのSSが付いてきます。
また、『キャラ文庫アンソロジーⅢ 瑠璃』に番外編の短編が収録されています。
さらに、『初恋をやりなおすにあたって』に関しては、商業番外編同人誌として『恋愛を進めるにあたって』という作品が出ています。
同人誌なので、入手できるかどうかはタイミング次第ですが、BOOTH、コミコミスタジオ、フロマージュブックスなどで探してみてください。
駿河屋などの中古ショップでも手に入ることがあります。
『冬色ドロップス』 2020年2月刊行
レーベル:幻冬舎ルチル文庫
イラスト:さがのひを
BL小説には珍しい連作短編形式の作品です。
男子高校生の失恋から始まる三角関係の恋を描いたピュアなラブストーリー。
男前攻め、健気受け、同級生カップル、高校生カップルが好きな方にオススメです。
電子版には書き下ろしのSSが付いてきます。
2023年12月現在、電子書籍版はKindle Unlimitedで無料で読むことができます。
『セカンドクライ』 2023年2月刊行
レーベル:キャラ文庫
イラスト:草間さかえ
自分の作風を模索する新人画家(攻)と愛を知らない秘書見習い(受)が、お互いの欠けたところを補い合うラブストーリーです。
年の差カップル、敬語受け、育て愛が好きな方にオススメです。
電子化もされています。
アンソロジー
尾上先生は各レーベルのアンソロジーにも参加されています。
『恋する星屑 BL SFアンソロジー』 2024年10月刊行
レーベル:ハヤカワ文庫JA
SFとBLがテーマのアンソロジーです。
尾上与一先生は「テセウスを殺す」という短編で参加されています。
脳がデータ化されるようになった世界を舞台にした軍人BLです。
電子化済み。
『恋する星屑 BLSFアンソロジー』についてはこちらの記事に詳しくまとめています。
『HOLLY MIX』 2013年10月刊行
レーベル:Holly NOVELS
Holly NOVELSから出版されているBL小説の番外編を集めたアンソロジーです。
尾上先生の作品からは、『二月病』の番外編「真夏の花」と、『碧のかたみ』の番外編「間宮」、『二月病』のイラストを担当した黒沢要先生による『二月病』のショート漫画が収録されています。
しかし、2023年7月現在は絶版になっているので、手に入るのは駿河屋などの中古ショップで流通している古本のみです。→駿河屋.JP | ボーイズラブ小説 HOLLY MIX / 木原音瀬/安芸まくら/尾上与一/さとみちる//草間さかえ/黒沢要
『HOLLY MIX』の詳しい情報と他の収録作品はこちらの記事で紹介しています。
『HOLLY BOX』 2014年2月刊行
出版社:スコラマガジン(蒼竜社)
高校生BLをテーマにしたアンソロジーで、2作の小説と5作の漫画が収録されています。
尾上先生は「冬色ドロップス」で参加されていて、これは書籍化されている『冬色ドロップス』の元ネタとなる作品になっています。
内容としては『HOLLY BOX』に収録されている短編が単行本『冬色ドロップス』の1章になっており、単行本の方でほとんど同じものを読むことができるので、手に入りやすい単行本を購入するのがオススメです。
ただ、単行本化の際に大幅に加筆修正が入っていることと、単行本の方はさがのひを先生、『HOLLY BOX』の方は上田にく先生がイラストを担当している点が違うので、2作の差異が気になる方は両方購入するのもアリかもしれません。
『HOLLY BOX』は2023年7月時点では絶版になっているので、手に入るのは駿河屋などの中古ショップで流通している古本のみです。→駿河屋.JP|ボーイズラブコミック HOLLY BOX / 日高ショーコ/田賀/大竹とも/川嶋すず/山田栞//尾上与一/遠野春日
『キャラ文庫アンソロジーⅢ 瑠璃』 2020年6月刊行
レーベル:キャラ文庫
キャラ文庫が出版しているアンソロジー第3弾です。
尾上先生は『初恋をやりなおすにあたって』の番外編「午前0時の紫の上」を寄稿しています。
内容としては本編の後日談になるので、『初恋をやりなおすにあたって』を読んでから読むのがオススメ。
「キャラ文庫アンソロジーシリーズ」についてはこちらの記事で詳しく紹介しています。
『キャラ文庫アンソロジーⅣ 瑪瑙』 2022年11月刊行
レーベル:キャラ文庫
キャラ文庫が出版しているアンソロジー第4弾です。
尾上先生は『氷雪の王子と神の心臓』の番外編「満月とうたかたの逢瀬」を寄稿しています。
内容としては本編の後日談になるので、『氷雪の王子と神の心臓』を含む「花降る王子の婚礼シリーズ」をすべて読んでから読むのがオススメ。
「キャラ文庫アンソロジーシリーズ」についてはこちらの記事で詳しく紹介しています。
その他
尾上先生は、アンソロジー以外の媒体にも短編を寄稿してます。
『笠井あゆみイラストカードブック 旦那はんと痴話喧嘩』 2021年12月刊行
出版社:パイインターナショナル
BL小説の表紙や挿絵を数多く担当されている笠井あゆみ先生のイラストカードブックです。
「旦那はんと痴話喧嘩シリーズ」という、とある屋敷の主人に囲われた青年の主人とのほろ苦い蜜月を描いたイラスト40点を、剥がして飾れるカードブックにして出版したもの。
尾上先生はこのシリーズを小説化した「プリヴォルヴァの誠実」という書き下ろし短編を寄稿しています。
年の差カップル、着物シチュエーション、京都弁、体格差カップルが好きな方は必見。
小説にイラストレーターさんが挿絵を入れるというのがBL小説のスタンダードですが、この作品ではイラストが先行でそこに小説を当てはめるというおもしろい試みがされています。
笠井あゆみ先生は尾上先生の著作の中だと『さよならトロイメライ』のイラストを担当されていて、「旦那はんと痴話喧嘩」もよく似た雰囲気の作品なので、『さよならトロイメライ』が好きな方は楽しめるのではないかと思います。
まとめ
尾上与一先生は西洋ファンタジーから歴史もの、現代BLまで幅広いジャンルのBL作品を手掛けている作家さんです。
ぜひ気になったものから手に取ってみてください。
また新しい著作が出た際には追記していきます。