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『青を抱く』フルール文庫版と角川文庫版の違い【一穂ミチ】
この記事では、一穂ミチ先生のBL小説『青を抱く』のフルール文庫版と角川文庫版の違いをまとめています。
『青を抱く』は、2015年6月にフルール文庫ブルーラインから出版されたBL小説で、その後絶版になり、紙版は長い間入手が困難になっていました。
それが2023年8月に角川文庫から新装版が出版され、改めて手に取りやすい形で流通が始まっています。
なお、フルール文庫版は電子書籍化されていましたが、角川文庫版の出版に伴いAmazon kindleでは配信が停止されています。
角川文庫版は2024年8月現在、Kindle Unlimitedで無料配信中。
『青を抱く』フルール文庫版 2015年6月刊行
イラスト:藤たまき
収録作品:「青を抱く」「青が降る」
ページ数:345ページ
※2024年現在は駿河屋などの中古ショップでのみ流通しています。
『青を抱く』角川文庫版 2023年8月刊行
イラスト:m.I.
収録作品:「青を抱く」「青が降る」「be with you」「ウェルメイドブルー」「Dear my her」
ページ数:280ページ
電子化済み。
『青を抱く』フルール文庫版と角川文庫版の違い
まず、1番大きな違いは、角川文庫版にはフルール文庫版の中身に追加でSSが3つ入っていることです。
そのうち「be with you」と「ウェルメイドブルー」は、過去に配布された購入特典ペーパーに掲載されたもので、『一穂ミチ ファンブック~long hello~』にも収録されています。
『一穂ミチ ファンブック~long hello~』ってなに?という方はこちらの記事をどうぞ。
「Dear my her」は書き下ろしで、宗清と泉の母の間で交わされた最後の手紙が軸になったショートストーリーです。
また、物語に関しては大幅に改稿が入っているとのことですが、ざっと読んでみた感じではエピソードのカットはほぼないと思います。
ラブシーンがややあっさりめになっているのは確かですが、一般レーベルから出す本としてはかなり攻めているなと思うくらいちゃんと行為が描かれています。
ラブシーンに関しては全カットも覚悟していたので驚きました。
ただ、角川文庫版には挿絵がありません。
角川文庫版は3編のSSが追加されているにしてはページ数が少ないなと思われるかもしれませんが、フルール文庫版よりも1行ごとの文字数や1ページごとの行数が多いので、文字が詰まっている分ページ数が少なくなっているのかなという感じです。
まとめ
『青を抱く』のフルール文庫版と角川文庫版の違いは、イラストを担当した方が違うこと、角川文庫版には挿絵が入っておらず、主にラブシーンに改稿が入っていて、3編のSSが収録されているということです。
個人的には、角川文庫版でも十分BLとして楽しめると思いました。
フルール文庫版の方は電子書籍の配信も終わってしまい、以前よりもさらに入手が難しくなっているので、これから『青を抱く』を読んでみたいという方には角川文庫版がオススメです。