バースBLって何?オメガバース、Dom/Subユニバース、ケーキバース、センチネルバース、ドースバースの解説&オススメ作品
この記事では、BL作品でよく扱われている特殊設定バースBLについて紹介しています。
バースBLとは、男女の区別以外に第2の性が存在する世界を舞台にしたBLで、基本的には二次創作で発生し、その後商業BLにも輸入されることが多い設定です。
バースBLは、自分の意思ではコントロールできない発情期があったり、特定の人物にのみ欲情してしまう性質があったり、男性でも妊娠が可能だったりと、様々なシチュエーションが可能なことから、BLだけでなくTLなどでも重宝されています。
また、バースBLで扱われる第2の性は、そのまま社会のカースト制度と直結していることが多く、現代設定でも身分の差がある関係性を描くことができる点もおもしろいところです。
もっとも有名なのはオメガバースですが、その後も次々に新しいバースBLが誕生しています。
ここからは、主なバースBLとそれぞれのオススメ作品を小説・漫画織り交ぜて紹介していきます。
オメガバースって何?
オメガバースとは、バース設定の元祖とも言える設定で、男女の性とは別にα、β、Ωという性が存在する世界のことを指します。
人口の中で最も多いのがβで、βは一般的な恋愛をして特に制限のない生活を送ることができます。
αは生まれながらのエリートで、オメガバースの世界では特権階級に属しています。
Ωは下層階級に属していて、男女ともに発情期があり、妊娠出産も可能です。
Ωの人間は、発情期になるとαを引き寄せるフェロモンを発してしまい、性欲に生活を支配されてしまいます。また、αは基本的にΩのフェロモンにあらがうことができず、時に理性では抑えられないほどの暴力性を誘発されてしまいます。
その結果、トラブルになることも多く、Ωは抑制剤を飲み社会生活を送っていますが、抑制剤が効かないタイプのΩも存在します。
また、αとΩは番という関係性になることが可能で、番を得たΩは発情しなくなり、番とのみ行為を行うようになります。
そして、行為中にαに首やうなじを噛まれるとΩは男性でも女性でも妊娠してしまいます。
第2の性が社会的な階級と直結するオメガバースは、悲恋や下剋上もの、人外ものなどでもよく扱われていて、近年は運命の番という設定もスタンダードになってきています。
オススメのオメガバースBL
ここからはオススメのオメガバースBL作品を紹介していきます。
Kindle Unlimitedで無料で読むことができる作品(2024年2月時点)もあります。
■『縁切りαは番になりたい』 やごとき 智
■『アンタは俺のオメガだろ』 猫野まりこ
■『運命なんてクソくらえ』 紅
■『Ωな生徒のスパルタレッスン 完全版~恋を学ぶには程遠い?~』 七杜のん
■『ペンデュラム―獣人オメガバース―』 羽純ハナ
■『レムナント―獣人オメガバース―』 羽純ハナ
■『ワケありオメガは逃げの一手』 ウチタマオ
■『ビギナーなΩ 38歳、初めての発情』 九条AOI
■『アオイトリ』 木原音瀬
■『偽りΩは狂犬αに愛される』 赤色マッシュ
■『君は純愛にふさわしい』 Luria
■『渇望アニマジェメラ』 相音きう
Dom/Subユニバースって何?
Dom/Subユニバースとは、男女の性以外にDom、Sub、Switchというダイナミクスがある世界のことを指します。
Domには、人を支配したい、躾やお仕置きがしたい、褒めてあげたい、守ってあげたいといった欲求があり、逆にSubには、支配されたい、躾られたい、お仕置きされたい、褒められたい、守られたいといった欲求があります。
Switchは、DomとSub両方の特性を持ち合わせていて、通常Domが相手の場合はSubに、Subが相手の場合はDomになることが多いです。
DomとSubは、Commandを用いたPlayを行うことで互いの欲求を解消することができ、適切なコミュニケーションの元で信頼関係を築けた時、SubはSub spaceというトリップ状態に入ることができます。
逆に、信頼関係が築けていない状態でのPlayや、DomがSubの求めていないCommandを強制したりすると、SubはSub Dropに陥り、心身共にダメージを負ってしまいます。
Dom/Subユニバースでは、支配したい欲求を持つDomと、支配されたい欲求を持つSubが、お互いの欲求を解消するという目的で行為を行うので、SM的な展開になることも多いのが特徴です。
オススメのDom/SubユニバースBL
ここからはオススメのDom/SubユニバースBL作品を紹介していきます。
Kindle Unlimitedで無料で読むことができる作品(2024年2月時点)もあります。
■『強制Switch-担任×問題児Dom/Sub』 彩田あまた
■『コマンドミー、プリーズ』 町田とまと
■『征服Subと屈服Domの契約関係』 あいかわあき
■『極道Dom/Sub 正しい愚弟の躾け方』 拝
■『金曜日、執事が俺をSubにする。主従逆転Dom/Subユニバース』 七菱ヒロ
■『砂の国のエデン』 ナコラ
■『孤独な神竜は黒の癒し手を番に迎える』 寺崎昴 / ヤスヒロ
■『好きすぎる男と反応が冷めてる男-Dom/Subユニバース-』 もか
■『俺のサブを暴くな』 ざらめ鮫
■『跪いて愛を問う』 山田ノノノ
◾️『ためしにコマンド言ってみた 』 ゆくえ萌葱
ケーキバースって何?
男女の性以外にケーキ、フォーク、その他という性別が存在する世界のことを指します。
ほとんどの人間はその他に属し、普通の社会生活を送っていますが、一部のケーキとフォークは特殊な体質で、社会生活に制限をかけられています。
ケーキは、先天的に体や体液が甘くておいしい人間で、フォークはケーキのことをおいしいと感じてしまう人間のことを指します。
フォークは後天的に発症してしまうことが多く、発症してしまうと次第に味覚を失い、ケーキ以外のものをおいしいと感じることができなくなってしまいます。
フォークの中にはケーキを相手にした猟奇的殺人事件を犯してしまうものも多く、危険な存在として社会生活を制限されることがあります。
逆にケーキは、フォークから危害を加えられる可能性がある存在として、危険回避のための福祉制度があることがあります。
オススメのケーキバースBL
ここからはオススメのケーキバースBL作品を紹介していきます。
Kindle Unlimitedで無料で読むことができる作品(2024年2月時点)もあります。
■『一番おいしい君が好き ~ ケーキバースアンソロジー ~』
■『舐めて、噛んで、キスをして』 文月くみ
■『舌先から恋』 百瀬あん
■『ストロベリーキス・メルト』 佐倉リコ
■『あらがう君が可愛くて』 高城リョウ
■『フォークの先は甘い罠』 浅海永次
■『甘い誘惑夢うつつ』 もか
■『きみだけをたべさせて』 zoi
■『幼なじみは甘くて食べごろ』 もちぱむ
■『舐める以上は契約外なので!』 晴屋うまこ
センチネルバースって何?
五感が著しく発達した人間が存在する世界のことを指します。
センチネルは視覚や聴覚といった五感が常人よりも優れている存在で、能力の高さから社会的に優遇されていますが、自分では能力をコントロールできず、生きていくのに不都合があります。
ガイドは、センチネルの能力をコントロールできる唯一の存在で、センチネルの能力を引き出したり、逆に制御したりすることでセンチネルをサポートします。
センチネルはガイドがいないと生きていけない一方で、ガイドはセンチネルがいなくても生きていけるという関係性の歪さが魅力です。
センチネルバースには、他にも、五感のうちひとつだけが優れているパーシャルや、能力を持っているもののまだ覚醒していないレイタント、なんの能力も持っていないミュートといった属性も存在します。
軍隊や警察といったバディものとの相性がいいバースBLです。
オススメのセンチネルバースBL
ここからはオススメのセンチネルバースBL作品を紹介していきます。
Kindle Unlimitedで無料で読むことができる作品(2024年2月時点)もあります。
■『センチネルバース 蜜愛のつがい』 今城けい
■「東京センチネルバースシリーズ」 鴇六連
■『特殊能力ラヴァーズ~ガイドはセンチネルの番~』 柚月美慧
■『運命の比翼~片翼センチネルは一途なガイドの愛に囀る~』 村崎樹
■『竜と茨の王子』 櫛野ゆい
■『君と溺れるエデンの夜明け』 Jbn
ドースバースって何?
ドースバースとは、男女の性以外にドラッグ、クランケ、ノーマルという性別が存在する世界のことを指します。
ドラッグとは体が薬になる人間で、体調不良の人に触れるとそれを治すことができます。さらに、ドラッグ本人は病気になりません。
クランケは生まれつき体が弱く、体調を崩しやすい人間で、基本的に薬が効きにくい体質です。
クランケはドラッグとの接触で体調が好調になりますが、ドラッグに依存してしまうことでドラッグ無しでは生きてけなくなることもあります。
ドラッグでもクランケでもないノーマルは、一般的な薬が効きますが、ドラッグとの接触では薬よりもさらに回復高い効果を得ることができます。
ノーマルはドラッグと長時間接触することでオーバードーズと呼ばれる体調不良を引き起こし、接触が3日を超えると中毒状態になります。
中毒状態になったノーマルはドラッグと離れると死に至ります。
ドースバーズは、特別な体質のドラッグとクランケのカップルが魅力的なだけでなく、人口の大多数を占めるノーマルもドラッグとカップリングさせたくなるところがおいしいバースBLです。
オススメのドースバースBL
ドースバースはまだ日本の商業BL市場には入ってきたばかりで、商業作品としてはこれから増えていくことが予想されます。
■『愛欲オーバードーズ』 下野圭
■『Fall in Heat バースBLアンソロジー』
※『Fall in Heat バースBLアンソロジー』に収録されている「境界の庭」(音海ちさ)がドースバースを題材にした短編です。
まとめ
二次創作から輸入されることが多いバース設定は、BLの世界観を広げてくれるユニークな特殊設定です。
オメガバースから始まり、様々なバースBLが展開されているので、次はどのバース設定が流行するのか楽しみでもありますね。
ファンタジックなBLを読みたい方にオススメのバースBL、ぜひ気になったものから手に取ってみてください。
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