「野宿をしながら自転車で日本を横断した話」 6/12 福岡市内観光 10km
「軍師官兵衛」ゆかりの地!
朝はゆっくり起きて、大体9時ごろだったか。夜7時に小学校以来の友人と会うこと以外特に予定もない。ということで、今日は福岡市内を散策することに。朝食を取りながら今日の予定を立てる。
共用スペースに「ご自由にどうぞ」という紙と一緒にびわが置かれていたのでいただくことに。やっぱり甘くて美味しい。
大まかな予定を立て終わったところ、最低限の荷物だけ持ってゲストハウスを出発。昨日福岡市内に着いたのは夜だったので、やっと街を観光できるということで高揚感が高まる。
ここ数週間、今までの人生で訪れたことのない新しい「日本」を見てきたが、やはりどこに行っても新しい土地に足を踏み入れるのは大きな感動を覚える。
自転車を走らせ、天神手前の橋を渡ると、東京駅にも似たような赤レンガの建物が。門司港のようなレトロ感があって見学してみたいところだが、1つ目の目的地である「福岡城跡」を観光したいのでそちらへ急ぐ。
昔から貿易・商業が盛んな街であることから、メガバンクの大きな支店が至る所で見られる。
自転車を走らせてから20〜25分ほどで「舞鶴公園」へ到着。夏の弘前公園や皇居のお堀でよく見る蓮の葉が一面に広がっている。いつもならなんとなく通り過ぎてしまう物だが、こういうところにも初夏を感じられて好きだ。
公園内では多くの幼稚園児が遊んでいて、街の喧騒から離れてのどかな様子。
その近くに木造の建物を発見。近くへ行ってみると、「福岡城むかし探訪館」というらしい。
館内に入ってみると、真っ先に岡田准一が主演を演じていた大河ドラマ「軍師官兵衛」のポスターが堂々と貼られている。
「龍馬伝」や「真田丸」など小学生の頃から何種類か大河ドラマを見てきたが、「軍師官兵衛」は個人的に一番好きな作品だったので、黒田官兵衛ゆかりの地を観光できるのは嬉しくて仕方がない。
作品の中で使われていた兜や名刀がメインで展示されている。福岡城の復元模型やビデオ上映なんかもあり、今まであまり接点がなかった日本史を知ることができる。
福岡城の歴史に関する展示を堪能し、二の丸、本丸方面へと歩く。
木造でかなり黒ずんだ櫓の背景には福岡市街が見える。まだそこまで上の方まできていないのにも関わらず、かなり景色が良い。
石垣の間から木々や枝が生えていることに驚きながら歩く。草がアスファルトを突き抜けて芽を出す写真を見たことがあるが、そういう感じなのだろうか。
少し上の方まで歩き続けると、目の前に「天守台」と書かれた看板が。
ちなみに、福岡城の天守閣は幕府への遠慮で築城されなかったらしい(諸説あり)。メインとなるのは展望台のみとなっている。
上へ登り切ると、飛行機が頭上を通り過ぎる。あまり他の年で聞いたことがなかったが、どうやら福岡空港は街中から数kmほどしか離れていない場所に位置しているので、かなりの頻度で飛行機を目にする。
公園内の森の向こう側に見える高層ビルの中に、大きな楕円の建物が。おそらくソフトバンクホークスの本拠地である「ヤフオクドーム」だろう。この後観光するので楽しみだ。
帰りは違う道を通ってみる。所々石畳が広がっている。
歩き続けて5分ほどすると、「旧母里太兵衛邸」が見えてくる。「軍師官兵衛」では速水もこみちが演じていた。さすが豪傑の邸宅というだけあって、頑丈で立派な門構え。
天守台があって舞鶴公園に隣接する「大濠公園」へ到着。先ほどとは一変し、今度は湖のような景色が広がる。実際の福岡城跡よりも、こっちの方が観光客が多く見られる。
向こう側にはこの大きな池に面したテラス席が用意されているカフェがあるようだ。こんな雰囲気が良い公園はあまり他の街で見たことがない。
池の中央にある浮島には、中国建築のような東屋がぽつんと見える。「浮見堂」という名称らしい。
白一色に統一された橋も遠くから眺めてみるが、周りの雰囲気と調和してとても良い。結局公園内を一周して、次の目的地へ向かうために道路に出る。
突如現れる韓国?
道中、森の中に見慣れない建築様式の建物が見えたので、Google Mapsで何の建物か調べてみることに。韓国総領事館らしい。確かによく見たら左の方に韓国の国旗がチラッと見える。
そこから直線を走り続け、ヤフオクドーム(現在はPayPayドームになったらしい)が見えてくる。こんなに近くでプロ野球のドームをみるのは東京ドーム以来だが、やっぱり迫力がある。
この辺りは新開発の地なのか、不思議なオブジェがちらほら見られる。その中でも一番不思議だったのはおそらくこれだろう。
そこからもう少し西へ進むと、さっき福岡城からも見えた「福岡タワー」というシンボル的な観光地が近くに見えてくる。が、さっきも福岡市内を高いところから見学したので中に入るのはパス。
街中は「ホークス」のデザインが施されたバスなんかが頻繁に往来する。プロ野球やJリーグのチームが特に活躍している街ではこういうのをよく見かけるような気がする。
山笠の山車を制作しているであろう小屋を通り過ぎて、またドームの方へ戻ってくる。
東京や大阪でも一切見たことがない「メルチャリ」と書かれた自転車が何台も設置してある。どうやらフリマアプリの「メルカリ」で展開しているレンタサイクルのサービスらしい。
ドームのすぐ横には大きな商業施設があったが、僕が買うような物は特になさそう。
ということで、昼食と次の目的地を目指すためにまた街中へ戻ることに。
ドンキでジャンキーなおかずが盛り沢山な弁当を購入し、川沿いで食べることに。
今日もかなり強い日差しが照りつけるので、買った直後から電子レンジ要らずでほかほかの弁当になる。
「博多祇園山笠」って?
食べ終わったところで、次の目的地である「櫛田神社」へと向かう。途中博多ラーメンと大きく看板に描かれたラーメン屋を何軒か発見し、昼食を食べたばかりなのに既に夜が楽しみになる。
迫力がある門が見えてきたので、神社に着いたのだろう。
中に入ってみると、ここも観光客なのか、かなりの人で賑わっている。
参拝を済ませて敷地内を歩くと、ここでも山笠を制作中らしい。
ちなみに山笠というのは、毎年7月に行われる「博多祇園山笠」というお祭りで、700年以上の歴史があるんだとか。是非見てみたいのだが、あいにく今回の旅の日程では叶わない。
神社からすぐの場所にある山笠の資料館に入ってみる。実際に山笠の山車に使用されている備品の展示と、館長のおじさんの熱い説明を1時間ほど楽しむ。
少し疲れてきたので、この辺で一旦ゲストハウスへ戻ることに。最後に通り道にあった「崇福寺」で参拝。これもまた福岡藩主黒田家の菩提寺らしい。
ゲストハウスで数時間ほどだらけた後、友人と待ち合わせるために天神駅へ向かう。10年ぶりに会うということで、そもそもお互いがお互いを認識するのか不安だったが、意外となんとかなる。
せっかくの福岡、ということで夜は中洲の屋台へ向かうことに。
中洲の川には派手な装飾が施されている船が往来し、夜の街を彩るかのようだ。
人生初の「10年ぶりの再会」を経験!
食べる前に少し観光、ということで大きな商業施設である「キャナルシティ博多」へ向かう。ここでもライトアップされた噴水のショーをやっているなど、この辺りは本当に賑やかな街だ。
中洲の屋台の方へ戻ってくると、ほとんどの屋台が満席になっている。地元の人なのか、観光客なのか、ビジネスで出張に来ている人なのか。よくわからないが、とにかく人でごった返している。
たまたま数席空いているお店を見つけたのでその場の勘で入ることに。ラーメンともつ煮込みを注文。ラーメンは博多らしい細麺で、お腹も空いていたこともあってかあっという間に食べ終わる。
2軒目のお店では焼き鳥をいただきながら小学校の頃や現在の話なんかで盛り上がる。なにせ10年分の話なので話題が全く尽きることなく本当に楽しい時間過ごす。平日で忙しいのに予定を開けてもらってとてもありがたい。
食べ終わった頃に店主の方とも少し話をする機会があり、10年ぶりの再会だということを伝えるとかなり驚いた様子。もちろん僕自身も、こういう形で再会するとは思ってもいなかった。
帰り際に店主の方から鶏飯をいただく。明日の朝ごはんをまだ買っていなかったので、これはとても嬉しい。
店を出た後は、天神駅まで送ってもらうことに。また福岡かどこかで再会することを約束してお開き。