ワックスドコットン=バブアーという風潮
生地といえば。
前回ベンタイルの話をしたので、
ワックスドコットンの話もまとめたいと思う。
あのベタベタして古着の匂いのする素材。 バブアーと言ってすぐ思い浮かぶだろう。 あの生地の名前はワックスドコットン。ワックスを染み込ませて暴風耐風性能を持たせている。
期限は19世紀まで遡る。もともとワックスドコットンは、船の幌に使われていた。今より技術が発達していないため、殆ど意味がないような仕様だった。
1930年代半ば、技術が進歩し、
衣服で初めてワックスドコットンが採用される。
英国のアナログ的な機能素材と聞いて、まず浮かぶのがワックスドコットン。もともとは、船の幌で使われており、それをヒントに不順な天候で働く湾岸労働者や漁師たちへ向けてワークウエアとして提供したのが始まり。丈夫なキャンバスにオイルを染み込ませることで、目が詰まり風を通さず、油分が水を弾くという優れもの。-他サイトから引用-
バブアーのルーツ
北海の不順な天候の元で働く水夫や漁師、港湾労働者のために、オイルドクロスを提供したのが始まりでした。その革新的なオイルドクロス製の防水ジャケットは耐久性が高く、瞬く間にバブアーの名声を広めていきました。-HPより引用-
バブアーは1974年にエジンバラ公、1982年にエリザベス女王、そして1987年にチャールズ皇太子と、3つのロイヤルワラントを獲得している正真正銘のイギリス王室認定ブランド。
現在のロイヤル・ワラントの最高峰は3つとなり、Barbour(バブアー)のようにすべてを保持していることは大変に希少な事実とのこと。
ワラントとは王冠。 タグの部分の王冠の数が3つで示される。
↑スリーワラントと言われるタグ。
↑ツーワラント。80年代。1982~1987年のわずか5年しか生産されていない。
バブアーの生地は、繊維長の長い上質なエジプトコットンが使用され、そこにワックスがたっぷり染み込ませてあるが、じきにベタベタ感は落ち着く。防水性が落ちたら、新たに手などでワックスを塗り直せばよい。またこの生地は、ソーンプルーフ(植物の刺に強い)性も保持している。
ワックスドコットンの特徴
古着屋とオイルの間みたいな匂いがする。 触るとしっとりとした質感。
この匂いが好き嫌いだいぶ分かれると思う。 故に公共機関での移動に適してない。 満員電車で前の人がワックスドコットンの人だったら自分も距離を置きたくなる。色移りするし。日本人の移動手段には適してないのでは?と思う。
バブアーは一ワックスドコットン以外の素材も展開している。コットン、ヘリンボーンウールのコートとかもあるから、そっちでもいいと思う。 大学生やサラリーマンが良く着てる。この文章見ている人はすでにファッションにどっぷり浸かってるからその選択肢はないと思うけど。
閑話休題。
ファッションを突き詰めると地雷みたいな服、 ブランドがわかるようになる。高いものの価値はいまでもよくわからないけど、 大体の値段の尺度がわかってくる。
この値段でこの品質?みたいな服が、世の中に溢れており、悲しいがそれを手に取ってしまう時もある。悪。無知は恐ろしい。
セレクトショップの裏話とかも書きたいけどだいぶ危ないから、それは別で記事書きます。
ワックスドコットンはワックスが落ちるのに比例し、防水性、耐風性が落ちる。
理論上、洗えない服である。
でも実際はそんなこともなく、 洗ってからオイルを塗り直すなんてこともできたり。洗ってオイルを落とす、ってこともある。
革製品と同じかそれ以上に、メンテナンスに悩まされるけど、服は考える度に愛着が湧いてくるもの。大事にしようという気持ちが出てくる。
価格も決して安いものではない。
ベンタイルほどではないが、ワックスドコットンもなかなかの金額。
少し不便。ただそのキャラクターを受け入れるっていう意味では人生は豊かになるのかも。
2019/12/20