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ベンタイルという生地

ベンタイルコットン。
イギリスの高級素材として有名な生地。
ある程度ファッションを好きになってくると興味を持ってくるのは、生地の世界。

コットン、ピケ、コーデュロイ、ナイロン、ポリエステル、ポリウレタン、シルク、レーヨン、レザー、スウェード。

一個一個理由があって、それぞれの良さ、悪さがある。
完璧なものはない。(みんな違ってみんないい)
今回はベンタイルについての話。
歴史はイギリスにある。


ベンタイルは、イングランドのランカシャー州にあるファブリックメーカーであるタルボットウィービング社が展開する生地。もともとは英国の軍用に開発した生地で、細軍手のコットン双糸を限界まで打ち込むことで、水と風を防ぎ、浸透性も確保という力技。ただこの糸を作るには、最上級の繊維長のある綿が必要不可欠で、糸を使う量も多い、そのため量産できず高級生地。
-他サイトから引用-

簡単に言うと、
防水、耐水、透湿性をコットンの編み方だけでできるっていうこと。
もっと簡単に。
GORE-TEXみたいなことをコットンでできる。


これは凄いことだと思う。

GORE-TEXの作りについては今回割愛するが、一言で言うと透湿性を担保した生地。
ノースフェイス、パタゴニア、アークテリクス、マーモット、モンベル、あたりが有名なところ。
名だたるアウトドアブランドがこぞって使うスーパーな生地。
実は歴史は深く、30年前から軍に納入された実績がある。

一見、欠点がなさそうにみえるが、最大の短所は経年による劣化が確実に起こるということ。
ミルフィーユのように三層で重なっているのだが、真ん中の生地が時間と共に劣化して、中でボロボロ壊れてくる。
兎にも角にも、シームテープが剥がれてしまったら終わり。これが宿命。現状防ぎようがない。こうなってしまうと修理に出すか、破棄するしかない。

大事にしてたウェアも、寿命がある。

ちなみに、店員はしきりに、ずっと着れます。何年も着れますと言ってくるが、この性質上、ずっとは無理。商売トークで有名。
本当にゴアの性質を知らない店員の勘違いから生まれたデタラメ。
(その瞬間売れちゃえば関係ないしね、5年-10年は持つし。壊れてもその店員はもういない。文句はカスタマーセンターに。)

話を戻すと。

ベンタイルの最強と言われる最大のメリットは経年劣化によってボロボロにならない点。

ゴアテックスは化学素材。
ベンタイルは天然素材。

メンテナンスをしてあげると長くもつどころか、経年によって味が出てくるため、レザーのような楽しみ方もできる。

さすがはイギリス。
いいものを長く使う国民性があるので、生地もそのような特徴を持っているということ。

欠点は値段が高い。
ヴィンテージ市場でも基本的にベンタイルは人気で、日本古着市場の方が英国より安いといわれるくらい、近年向こうでも人気がある。
この市場の逆転はデニムでも顕著で、買い付けも困難らしい。
話はそれるが、古着のバイヤーはスリフトでリーバイスのダブルエックスを大量に拾えると思いがちだがそんなのは今じゃ都市伝説みたいな話。
例えると、ラグタグ、リンカンみたいなリセールショップでシュプリームのボックスロゴが格安で買えるみたいな。価値はみんな分かってる。

今の古着のバイヤーは、ディーラー(向こうの古着ハンターみたいな人)に直接アポイントを取って、買い付けないと、よほどいいモノは買い付けて来れない。
何も考えないでローズボールにいってアメリカンドリームよろしくな奇跡の出会い、みたいなのは古い。ボウズで帰ってくるだけだ。
インターネットで知識は昔よりも身近に手に入るようになった。だから知らないことは致命的だ。

ベンタイルに話を戻す。

ベンタイルは見た目だとかなりわかりづらい。
生地の感覚とかを知らないと、膨大な服の中から見落としてしまうのかと思う。中のタグ見れば一発だけど。
感覚が有れば、なにこの丈夫な生地?コットン??ってなる。テンシーを初めて触った時に感じたあの奇妙な違和感がベンタイルの特徴だと思う。
さらっとしているがそれでいて丈夫。

コットンのレザーというのがベンタイルのことを一番伝えやすいと思う。

ベンタイルを知ってしまうと世界が変わって見えるくらい、生地の持つ魅力を考えさせられる。

ちなみに今でも空軍の生地として使われているくらい最強の素材。
ファッションを極めるとミリタリーにたどり着くといわれるくらい、軍が使用しているものは最先端で最高峰。彼らは命にかかわるから中途半端のものは採用しない。

話は飛んでしまったけど、ベンタイルは素晴らしい生地。もう少し調べていきたい。

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↑ベンタイル。RAF(Royal Air Force)で使われていたジャケットをナイジェルケーボンが現代にアップデートしたもの。かっこいい。

画像4

↑ナイジェルケーボンのタグ。オリジナルかな。かっこいい

画像2

↑タグ。古着でよく見る。

画像3

↑こんなタグも。いろいろ。

2019/12/14

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