舞台「第7官界彷徨」を終えて
2023年9月22・23日に公演した、第七官界彷徨の舞台について。
ご来場いただいた皆様。ご協力、温かく見守ってくださった皆様。誠にありがとうございました!
終演してから約1ヶ月が経ち、宣伝です。
舞台「第七官界彷徨」が出来るまでの道のりや、世に出ていない稽古風景のオフショットなどをまとめたデジタルZINEがBOOTHで本日から販売されています!
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デジタルZINE「第七官界彷徨記録」
価格:500円
ファイル形式:PDF(ダウンロード販売のみ)
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ZINE作成にあたり、主宰れな(現:小野町子)から「言葉寄稿する?」と誘ってもらったので、自分の中でどんな想いが起きていたか言葉にしてZINEに載せてもらいました。
読んでいただけましたら幸いです。
『参加したきっかけ』から『本番を終えて』まで言葉にしたのは良いものの、長くなりすぎてZINEには全て載りませんでした。
前半の参加したきっかけから、原作を読んでの感想はカットし、役作りから本番を終えてのことを中心にZINEに載せました。
カットした部分はお蔵入りにしようかと思いましたが、せっかくなのでnoteで公開してみます。
以下、お蔵入り危機にあった言葉達です。
お読みいただけたら嬉しいです。
参加したきっかけは日高屋と好奇心と…。
確か秋頃。池袋の日高屋。
れなと向かい合った席でレモンサワーを飲みつつ、餃子を食べていたような気がします。
そんな中、れなから、舞台の話を聞きました。
「尾崎翠の第七官界彷徨という作品を舞台化したい。あやにも出て欲しい。」
出て欲しいという言葉は、純粋に嬉しかったです。
・「尾崎翠」は今から100年くらい前の「幻の作家」と言われている人物であること。
・れなは、第七官界彷徨について卒業論文を書いたこと。
など、淡々とした語り口なんだけど、想いを巡らせながら尾崎翠さんや作品について話している姿が印象に残っています。
れなはロウソクみたいな炎を持っている。
身を削ってまでも凄まじい炎を生み出し、消えてしまいそうな危うさあり。
なんとなく、仏壇でロウソクの炎の燃える様を観察していた幼少期の自分を思い出した。
この炎はどうなるのか?
近くで見たいという好奇心。そんな好奇心と…。
れなに恩を返したい気持ちもありました。
実は、れなの書いた物語に救われたことがあり。
私には、自分が表現したいものが分からなくなっていた時期がありました。
(今も良く分かっていない節はあります)
そんな時期に、れなの書いたラジオドラマをやったのです。
れなの言葉は私の表現したいものを湧き上がらせてくれるようで、救われました。
そんなこともあり、力になれたら良いなという想いもあり参加したのでした。
舞台化するにあたって
第七官界彷徨を舞台化するにあたり、どんな舞台にしたいのか構想をざっくり聞いた。
・原作をそのまま舞台にしたい訳ではない
・尾崎翠の他の作品の要素を入れるなど、オリジナルなところも入れたい
・みんなの意見を聞きながら創っていきたい
挑戦的で素敵な考えと思いつつ、石橋を叩いて壊して渡れなくなるくらい心配性の私は、少し不安があったのです。
その少しの不安というのは、
「みんなの意見を聞きながら創りたい」という点。
尾崎翠さんや作品に対するれなの想いが強そうなので、他者の意見を取込むのは苦しくならないかな?
まとまるかしら?という心配。
でも、舞台をより良いものにしたいと思って決断したのだろうし。何よりやってみないと分からない。
そして、小野一家に参加するメンバーを聞いて、なんとかなるかーと呑気に構えていました。
原作を読んだ感想
れなに教えて貰うまで「第七官界彷徨」も、
作者の「尾崎翠」さんも全く知らなかった私。
初めて原作を読んだ時の感想は、
少女の頭の中を覗きこんでいるみたいな?
魂の成長過程を見ているような?
どんどん没入していく不思議な感覚があり、よく分からないけど、好きな世界で面白かったのです。
私に特に刺さったのは、女の子たち(町子、隣家の少女)の勉強意欲だった。
女は家庭に入るのが当たり前という意識が根底にある時代で、学ぶというのは今よりずっと大変だったと思う。
町子は、自分で思い描いた目的を達成するために、炊事係をしながら、自分で仮説を立てて独自の方法で達成しようと彷徨する。
隣家の少女は、従姉妹からの制限がある中で、昼は炊事係をして、夜学国文科の聴講生として学んでいる。
というようなところが、尊敬というか、どんな状況であっても学ぶことを諦めない。自分の意思で学んで生きていこうとしている感じがして、刺さったのだと思います。
また、タロットカードの魂の成長ストーリーに似ている気がしました。
タロットカードは、潜在意識を表すと言われ、尾崎翠さんは、人間の心理にも興味を持たれていたようなので、通じる所があるのかもしれません。
私には、主人公の町子が【愚者のカード】のように思えたのです。
穢れなき存在。自由で永遠に少女として彷徨っていそうな。無限の可能性を秘めた存在。
最初は何も知らない無垢な魂が、自分探しの旅をして他者を知り、失恋を経て、感情を知る。それは、自分が思い描いていたものとは違っていた…という精神の成長過程というか、うまく言葉にできないのですが、とても尊く、哀感を感じたものです。
あと、『れなの言葉』と『尾崎翠さんの言葉』が同じ薫りというか、なんとなく面影を感じました。
私は文字を理解するよりも絵の方が理解しやすいのですが、れなと尾崎翠さんの言葉は感覚で入ってきてくれる。
理論的に理解は出来ていないんだけど、何となく感覚で捉えられる。そんな感じが似ていました。
以上です。デジタルZINEには、苦労した役作りのことを中心に書いています。迷走しすぎて、尾崎翠さんのホロスコープ(生まれた時の天体図)見た話も載っています。
ご興味を持っていただけましたら嬉しいです♪
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お読みいただきまして、ありがとうございました。
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