6月25日

6月25日、ヤンマースタジアム長居(大阪市東住吉区)で開かれた陸上の全日本選手権男子100メートル決勝で優勝した多田修平選手。事実上の東京五輪代表選考会のレースで、3位に入賞した山縣亮太選手とともに五輪出場への切符を手にした。▼「素晴らしいスタートを切った男がいた。素晴らしかった」。2017年5月の川崎ゴールデングランプリでは、世界選手権で優勝経験を持つ米国のジャスティン・ガトリンをスタートダッシュで先行し、王者を驚かせた。世間で多田選手の名が認知されるきっかけだった。▼17年は多田選手の飛躍の年になった。世界陸上の4×100メートルリレーのメンバーに選出されメダルを獲得するなど、年以降は目の前に来たチャンスをものにしてきた。▼だが、個人種目でのタイトルに手が届かない日々が続く。「僕はスランプはないと思っています」とインタビューに答えたが、レース中盤から後半の走りを改善しようとしてリズムを崩して苦しんでいるのは明らかだった。▼「ここまで来るのは長かった。みなさんのおかげでここまで来れた」。苦しみを乗り越え、目標にしてきた東京五輪でのメダル獲得へのスタートラインに立った。得意のスタートダッシュで世界を驚かせる日が待ち遠しい。

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