見出し画像

おかーえりー



「おかーえりー」

長女が言った。

喜びとなぜか溢れてきそうになる涙を堪えて
「ただいま」っておっきい声で返したわたし。

ご近所へのお届けものをするので、一緒に行こーと息子と長女を誘った。二女は学童から帰宅中。

息子は「行く!」と。
長女は「いかん、ここおる」と。

長女はひとりきりにできない。

数年前、家族を探して家を出て(家族みんな家におるのに)、行方不明になった。その後もプチ行方不明者 もあって、警察には次何かあったらすぐに連絡をと言われている。

ゴミ出しに行く時間ですら、わたしを探しにくる。動きたくないわりに、いなくなるスピードが早い。

父ちゃんと留守番、二女と留守番、(←同レベルかよ)はしたことあるけど、1人はこわすぎてできない。そんな長女のいる我が家。

よそのお家はみんなどないしてんのやろ…といつも思ってる。

留守番ができたら、将来的に親はかなり楽になるというけれど、留守番の訓練とか無理やん。と思ってた。

それが、今回できたのだ。
留守番時間およそ5分。

めっちゃ短いけど、わたしたちにとってはとっても大きな5分。

用事がすんで帰る時のはやる気持ち。
玄関のドアノブに手をかけるドキドキ。

おらんかったらどうしよ。
え、おらんかったらすぐ警察?え、探す?

など巡らしながらあけた玄関。


「おかーえりー」

長女が言った。

喜びとなぜか溢れてきそうになる涙を堪えて
おっきい声で返した。


「ただいま!!」


わたしの勇気と長女の集中力と細田守に感謝!
(竜とそばかすの姫観てた)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?