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人差し指の痛み
我が子に指を噛まれる。
飼い犬に手を噛まれたこともないのに(目をかける部下もいなければ、犬も飼ってないけど)。
先日、二女が体調を崩し、二女が復活したとたん、なんだか咳き込みがふえた長女。
全身麻酔の予定があったので、小児科受診後、ダメ元で術前検査に行ったら「あ、その咳は延期ですねー」と。そうですよねー。
その後、発熱。
小児科でもらった抗生物質を飲ませなきゃならない。ところが長女、抗生物質を飲まないのだ。
味があかんのやろな、わかる。
そんな長女なので、これまでの風邪でも抗生物質は飲まずにやり過ごしてきた。ドクターも「お守りに出しとくわ」という感じで。
そんな風に過ごしてきたのだけど、今回はちょっと違う。
というのも、全身麻酔の件があるから。
こちらの全身麻酔は歯科治療で、心臓疾患のある長女は治療後に抗生物質をしっかり飲まないといのちに関わるリスクがあるのだ。
だから、今回はしっかり飲ませよう!
と心に決めた母。
さて、長女とわたしと抗生物質のたたかいがはじまった。
初日はチョコアイスに混ぜてみた。
めっちゃ嫌がった。キッズタブレットの暗証番号解除をダシに頑張って飲んで、母の勝ち。
…と思っていたら飲ませたのは抗生物質でなく咳止め薬だった。そのまま飲んでも美味しいラムネ味をチョコアイスに混ぜてた…そらまずいわ。
その後、抗生物質は水で練ってお薬だんごにして口にねじ込む。嫌がるものの、すぐに終わるので、母の勝ち。
翌日もお薬だんごねじ込み。
その後、嫌がることも想定して、ビスコやねるねるねるねを購入。まだ使ってない。
次の日はTwitterで教わった牛乳プリンで食べた。強引に口に入れたけど、次の口もあけたし、「いや!」って言いながら「おいし!」と。
牛乳プリンでいけるか!?と思っていたのに、次からは拒否。まぁ想定内。お薬だんごで強制投入。
…と母の根性と気迫でお薬だんごをやってきていたら、とうとうお薬だんごねじ込むときに指を噛まれた。
絶叫。
いたい!はなしてー!と言っても長女も暴れてパニックのためより強く噛まれた。
やっと抜けた時は、わたしも長女も号泣。
二女と息子は呆然。
奥歯のため、出血はないものの、爪が変色した。
我が子に指を噛まれた。
以前、めっちゃ食欲旺盛なミニブタにおやつあげるのに指も一緒に噛まれたけど、ブタの方がもっと甘かった。
噛まれた直後からずっと頭にあるのは、
「飼い犬に手を噛まれる」ということば。
もちろん、長女は飼い犬ではない。
でも、その言葉が頭から離れない。
なんでだろうと考えてふと思った。
賛否あるだろうけど、重度の知的障害、自閉の子を育てているとペットを飼っているような気になる。
懐いてくる時はめっちゃ愛されたがるけど自分の世界が大事な猫のよう。
拒否することの暴力的なのは突然噛み付く。
楽しいときゃんきゃん飛びまわる犬。
自ら寝る準備をすることなく、ごはんを食べて遊び疲れてリビングで寝てしまう。
動きたいときは一目散に走り、動きたくない時は手を引いてもテコでも動かない。
散歩が大変な飼い主さんを見かけると、めっちゃ共感してしまう。
こちらの感情を気にすることなく、自分の「快」を求める生活するスタイルなのだ。
ことばがなかなか通じない。
全力で愛されたがり、全力で無視する。
こちらの都合なんておかまいなし。
そんな存在。
でも、どんなに横柄でもわがままでもむかついてもはなしが通じなくても、結局は愛おしい存在。
無償で愛せる存在。
そんな存在。
我が子をペットにたとえるなんて!
と、素晴らしい育児をしている人からはお叱りを受けそうだけど、ペットのようにわがままで愛おしい存在だと考えることで、楽になるのだ。
そうでも考えないと、辛い時もあるのだ。
我が子に指を噛まれた。
この痛みはわたしの痛みでもあるけど、ことばを伝えられない長女の痛みでもある。
わたしはきっとこの痛みを忘れることはないと思う(出産の痛みも忘れたのでどうなるかわからないけど)。
そんな気持ちを、いま、噛まれた指で綴っている。いてーわ。