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僕が自分のネタを著作権フリーにする理由〜売れない芸人の発想は社会的価値を生み出さないか〜
オシエルズの矢島です。
僕は自分が書いてきたネタの一部を著作権フリーにして、このnoteにアップしています。
Facebookもやっているので、そちらではページを立ち上げて、友人の方にもネタを共有しています。
著作権フリーにしている理由は、大きく2つ。
1つ目の理由は、世の中にいる「表現だけしたい人」のサポートをしたい、という思いからです。
何かしら人前に立って表現がしたいと思っても、表現をするにはアイデアが必要だし、漫才やコントをするなら台本を作らなくてはいけません。
しかし、表現する力とネタを作る力は、ハッキリ言って全く別の領域です。これは、僕のユーモア・スキル研究でも明らかになっていることです。
おそらく世の中には、表現したいことがあっても、それに向けたネタ作りに悩んでいる人が多いのではないかと。そういう方々は、有名な芸人さんのネタをパクったり、アレンジしたりしてやってるはずです。
でも、これは「パクりあるある」なんですが、誰かの模倣って結局みんなが知ってるものを選びがちです。
そのまんま人前に立つと、観客側はどことなく何かをパクったという薄ら寒さを感じていて、パクってやっているという表現者側は恥ずかしさや罪悪感を抱いていることがあります。
それならば、面白いかどうかは読む側に判断していただくとして、僕のネタで良ければ、著作権フリーにするので使ってよ、という発想です。
2つ目の理由は、こういう活動をすることによって、売れてない芸人が社会とつながって、何かしらの価値を生み出したい、という気持ちからです。
日本の若手芸人のうち、99%以上は売れていません。僕もその一人です。売れてないだけで、みんな発想は素晴らしく、台本も死ぬほど面白いのに、日の目を見ずにほとんどがフェードアウトしていくんです。
売れてない、または食えてない時点で、芸人としての社会的価値はゼロに等しいのです。笑いは人間にとって不可欠なものなのに、まず全芸人を食わせるだけの受け皿は世の中になく、見る側も対価を払ってくれません。払い方が分からない、または確立されていないといったほうがいいかもしれません。
それならば、一生を売れてない芸人として過ごして、自分のネタが何の価値も生み出さないよりも、儲けや利益うんぬんは置いといて、誰かに使っていただきたいのです。
学校の先生が授業で使ったっていい。
演劇部の子が寸劇で使ったっていい。
会社の余興で使ったっていい。
役者さんも芸人さんも使ったっていい。
むしろ、同業の方に使っていただくのは嬉しい。
面白いかどうかは読み手に判断いただいて、
いいなと思ったら使っていただく、
そのためには、著作権をフリーにするしかない。
これは僕にとって実験です。売れてない芸人は社会的価値を生み出さないのか?いや、誰かの役に立てないのか?まずは「著作権フリー」という形で使っていただいて、上手くいけば、それを収益化できるシステムにできないかを考えています。
例えば、僕の思いに賛同してくれて、ネタを著作権フリーで公開してくれる芸人さんを集めて、あらゆる設定のネタを取り揃えて、その置き場を作ります。そこに広告なりスポンサーなりを入れて利益を生み出して、ネタを提供してくれた芸人さんに還元できるようにするとか、そんなことが実現できればいいなと思っています。
売れてない一生を過ごすなら、せめて社会的価値を生み出せる売れない芸人でありたい。
まずは僕だけで、主にオシエルズでやってきたネタをどんどん公開して、何とか100本の著作権フリーのネタを揃えたいと思います。
今後とも、応援のほど、宜しくお願い致します。