証人尋問に向けて(ヤジ排除国賠第8回期日報告)
4月28日に札幌地裁で開かれた、ヤジ排除国賠訴訟の第8回口頭弁論期日について、報告します。
次回裁判期日
ヤジ排除国賠 第9回口頭弁論期日
日時:6/18(金)10:00~
会場:札幌地裁805法廷にて
→傍聴希望の方は、9:30までに札幌地裁にて傍聴抽選券を受け取ってください
報告集会:10:30頃から、高教組センター4F(大通西12)にて
裁判書面と尋問
今回は、被告(道警)側・原告(排除された)側の両方から書面が出されました。道警側から提出された書面は、前回こちら側が提出した書面(「原告2人以外にも言論を妨害された者がいるため、警察による排除は組織的なものだ」)に反論するものですが、大まかには既出の内容をなぞるもので、ほとんど新規情報はありませんでした。ちなみに、「原告以外の者への警察措置についても、道警は適法に対処したので問題なし」ということだそうです。ご苦労さまです。
原告側の提出した書面は、今後控えている人証(いわゆる証人尋問)に向けて、誰の出廷を希望するかの「人証(にんしょう)申請書」と、それに備えた陳述書でした。
「人証」(にんしょう、じんしょう)というのは聞き慣れない言葉だと思われますが、要するに「人的証拠」です。これまでは画像や動画、関係書類など、あくまで「物的証拠」を裁判所に提出してきましたが、出来事の関係者である本人や警察官、そしてその様子を目撃していた証人の発言を、証拠として取り扱うということ。
そのために、各関係者が裁判所に出廷し、原告側・被告側・裁判所から質問を受け、証言する。この作業が「尋問」です。裁判所としては、各人の発言とこれまでの物的証拠、そして書面を総合的に判断して、判決を決める。そのため、尋問は判決前のヤマ場とも言えるでしょう。
原告側が出廷を希望するのは、原告となっている二人(大杉・桃井)と、それぞれの排除の様子を目撃していた証人2名の計4名。
それに対して道警側は人証申請を具体的にしませんでしたが、現場で排除に関わった「4名で申請する予定」とのこと。道警側の関係者は、排除に関わった者だけでも20名弱はいます。そのなかで「4名だけ」というのは随分少ない人数です。もっとも、発言する人数が多いと、それだけ尋問の時間もかかる上に、警察官同士の「口裏合わせ」も大変でしょうから、少ない人数を希望するのは意外ではないとも言えます。
今後、原告側としては、「もっと多くの人数を出せ」と主張し、道警側は「いや、それ以上は必要ない」と主張し、最後は裁判所が決めるという流れになるのではないかと予想されます。
尋問の期日について
今回期日の特徴としては、裁判長が「今後の流れを考えて尋問の日取りを決めておきたい」と、進行を促したこと。
その理由として裁判長が口にしていたこととしては、ヤジ排除裁判で使っている法廷は裁判員裁判でも用いるもっとも大きい法廷となっているため、早めに決めておかないと部屋の確保に苦労する、というのが一つ。
もう一つは、日程をある程度決めておいて、スムーズな進行を心がけないと、年度内に判決を出すのが難しくなるという事情です。裁判長も今年度いっぱいで異動になる可能性が高いので、年度をまたぐことは避けたいのでしょう。
少なくともヤジ排除裁判の様子を見ている限り、広瀬孝裁判長は、誠実に対応しているように見えます。判決を見るまでなんとも言えませんが、期待はしたいです。
このような提案に対して、道警側のヤフコメ弁護人は渋るような様子でしたが、結局9月内の2日間(9/9、9/10)に尋問をやるということが「暫定で」決まりました。
今後、ヤジポイ・弁護団としては尋問に向けた準備を進めつつ、道警側に「証人もっと出してね」と促すような流れになると思います。
既に提訴から1年半が経ち、判決が出るまで2年以上の長期戦になりますが、今後ともゆるやかにご関心をお持ちいただければと思います。
おしらせ
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