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ヤジ排除、二回目の不起訴処分→付審判請求と検察審査の申立へ

2020年6月26日 札幌地検が再度の不起訴処分を決定

 道警ヤジ排除問題に関連して、札幌地検は再び不起訴処分を決定し、公表しました。

 安倍首相の演説場面で「増税反対」「安倍やめろ」とヤジを飛ばした女性(桃井)を排除した警察官の行為について、本人の告訴(2020年4月)に基づいて札幌地検は捜査をしていましたが、再び「罪とならず」と判断し、不起訴処分を決めた。つまり、検察は警察の排除行為にあらためてお墨付きを与えた形になります。



 札幌地検は捜査の詳細を明らかにしていませんが、道警側の主張を全面的に認めたものだと理解してよいでしょう。
 あれだけ証拠映像がはっきり残っている出来事について、荒唐無稽な道警の言い分を採用して「罪とならず」と発表するのでは、「捜査機関どうしの馴れ合い」「癒着」「出来レース」と言われても仕方ないでしょう。

 最近は、「#検察庁法改正案に抗議します」を合言葉にしたツイッターデモが話題となり、「準司法機関」として高い独立性を求められる検察庁のあり方に注目が集まっていましたが、こうした実態を見れば「所詮は行政権力の一部」ということがわかります。

 これまでもヤジ排除問題をめぐって不起訴を連発していた検察組織にいまさら期待はしていませんが、あらためて軽蔑の念を表明したいと思います。

(前回、不起訴決定が出た際の弁護士による解説)


2020年7月3日 検察審査会への申立、付審判請求へ

 このような決定に納得できるわけがないので、不起訴処分を不服とする二つの手続き、「検察審査会への審査申し立て」と「付審判請求」を、7月3日付で行いました。

  以前も大杉の件で上記の二つの手続きをしたことがあり、その説明もしました。


 どちらの手続きも検察の「起訴独占主義」の例外として位置づけられているもので、検察が決定した不起訴決定を覆して刑事裁判を開く(起訴する)可能性に開かれています。
 付審判請求に関しては裁判所が、検察審査会に関しては裁判所に設けられる検察審査会が、それぞれ起訴すべきかどうかの判断を下します(検察審査会のメンバーは、裁判員裁判のように一般市民から集められた検察審査員が判断を下すという特殊な仕組みです)

 これらの動きがどうなるかは全く未知数ですが、一般市民や裁判所から見て、検察の「罪とならず」という判断がどのように見られるのか、要注目です。


(2021年12月25日追記)

ヤジ排除問題における当事者であり、原告である「藤根」(仮名)については、裁判の途中から、本名である「桃井」名を公表することとしたため、この記事内の「藤根」という表記もすべて「桃井」に変更しました。

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