マンガ家の「伝えたいこと」は=○○○
最近、気がついて、ちょ~~~脳みそがすっきりしたことがある。
ここ2,3週間、憂鬱でマンガ描きたくない…とまで思ってたモヤモヤが晴れたので、同じような悩みをもった人がいるかもしれないので書くことにする。
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マンガの打ち合わせをすると、いっつも編集の佐渡島さんが「このマンガで伝えたい事って何なのかな?」って言うんだけど、すっっっごく嫌だったのそれ笑
だって、ないよそんなもの。マンガって面白いアハハ、でいいじゃん。って思ってたし。
でもその伝えたいことっていうのが何なのか、今日「知らないの壁」を超えた感じがした…
先に言っちゃうと「伝えたい事」っていうのは
「見る人に与えたい印象」のこと。
これ、なんで気が付いたかというと、コルクのマンガ家4人(羽賀さん、ふむさん、ホリプー)で2か月に1回やってる精読会がきっかけだった。
※精読会っていうのはコンテンツをよーく読み込んで、作者の意図だったり、演出だったりを話し合って気づきを共有して学ぼうねっていう会で、観る目を鍛える為にやっている。
で、今回その精読会では「短い動画」をそれぞれ持ち寄ったのをみんなで精読したわけ。
そのときにふむさんがもってきた「ゴーンガール」の予告編がすごくて。
これ、本編を観たことがなかったんだけど、前半部分、大事な人のはずの妻を探してる夫、そして「いい思い出っぽい出来事の羅列」が続く。その後「もううんざり!」みたいなところからかなり雲行きが怪しくなる。
で、そのもううんざり!までの動画がすごいのが「どんな話か印象から判別できない」ところ。
ふつう、映画の予告編みたときって「イケメンが出る恋愛ものね」とか「貧乏な家族の感動ものね」とか「外国の派手なアクションすっきりしそう」とか印象をパッと受け取って処理してるんだと思うの。
だけどこのゴーンガール、その前半の動画では「どういう印象をもったらいいかわからない」状態が続くわけ。もちろん意図的にコントロールしてるんだと思うけど。
それで、もううんざり!っていうので「あれ、雲行き怪しいぞ、これ、夫が殺した?」みたいに思って、後半では完全に夫が怪しいな、っていう印象になる。
すると観た人に残る印象は「夫はやったのか?やってないのか?」
っていうシンプルなことが気になる状態になってるのね。
こういう風に「観る人に与える印象をコントロールする」ってかなりすごい技術だなーと思ったわけ。
それで冒頭の「伝えたい事」のことに戻るんだけど、それについてみんなで話してる時に
「あ、伝えたい事、ってこれだ、どう見せたいのか、ってことだ」
って思ったのよ。
どういう印象を与えたいか、が決まってないと修正する基準もなくてブレちゃうし、すごく大事な気づきだなあ、と思ったのだった。。
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