【おすすめマンガ】ハト部。
学校っていう場所は、
のぞまなくてもそれぞれが、ラベルをつけられてしまう場所だ。
モテるやつ、モテないやつ、オタク、不良、真面目、金持ち、…
学園もののドラマやマンガを見るたびに、
自分はどこだっただろう?
と思う。
モテてもなかったけど、暗くもなかった。
真面目ではなく、かといって
不良というほどツッパってはなかった。
うっすら不真面目で熱意はなく、
いろんなことに不完全燃焼で、
これをやりたい!っていう強い気持ちもなく、
自意識は強く、自己評価も高く、
自分に期待している。
そういう自分をなんて名付けるとしっくりくるんだろう。
その答えの一つがマンガで提示された。
『ハト部』
だと思う。
ハト部、は『君たちはどう生きるか』の羽賀翔一がcakesというWEBメディアで連載している日常系ギャグマンガだ。
ハト部、は文字通り「ハト(伝書鳩)を育てる部活」の名前だ。
主人公の林くんはちょっとしたことからこの部活に入ることになるんだけど、その部活では部長以外は誰もハトに触れない。しかも部長は来ない。部室でマンガを読んだり、ゲームをしたり、グラビアアイドルのDVDを見ていたりする。
この、ハト部の過ごし方がやじまにはめちゃくちゃ懐かしかった。
刺さった。
何故刺さったか…
やじまは中学1年の時にサッカー部に入った。
しかし通っていた学校は不良が多く、サッカー部はなぜかメインの不良が集まっていた。
ボールの取り合いで体をバシバシ当てると
『っってえな、ンのやろう!』とエルボーをしてくる。
そんな人たちとサッカーができるわけない。というかしたくない。
不良たちはガッツリ練習するわけでもなく、
楽しそうに遊びでサッカーをしていた。
それを横目に、不良でもなくサッカーも上手くない1年生は
校庭の端っこで砂山を作って棒倒しをしたり、鬼ごっこをしたりした。
無益な1年間を過ごした。
そんなこともあり2年ではサッカー部を辞めて、
帰宅部ばかりで5人ほど集まって「プラモデル部」を作った。
名前の通りプラモデルを作る部活という名目なんだけど、
文化祭の時に少し作るだけで、あとは与えられた仮の部室『資材準備室』でジュースを飲みながら校庭を眺めたり、持ってきたマンガを読んだり、バカ話をする日々だった。
ちょうどいいソファがあり、そこに座ってウンコを漏らして犬走りにパンツを捨てた同級生の話などをして盛り上がった。飲み物がなくなれば学校裏にあった「カルダス」の自販機で紅茶やコーヒー牛乳のパック飲料を買って戻った。
特にやる気もなく、ただ雑談するだけ。
この時間が、圧倒的に『ハト部』と重なった。
ハト部で描かれる時間が、完全に自分の青春と合致した。
ソファに座りながらマンガを読んだ日々。
くだらない話で学校が閉まるまで時間を潰した時間。
その実、「プラモデル部」であることを女の子には言いたくないという気持ち。
サッカー部やバスケ部に感じる劣等感。
不良への恐れ。
なんとなく感じる、現状の「このままじゃダメだ感」
ハト部は、そういう微妙な青春を過ごしてしまった人間が心の中に抱えた「不燃性の情熱」を描いているマンガだと感じる。
ハト部を読んで、今も燃え残った情熱のカスが心の隅に燻っているのをありありと感じた。
そして、読み終わると少しだけその情熱のカスが、愛おしくなる。
このnote読んで「俺もハト部だ」と思った人にぜひおすすめしたいマンガです。
単行本出て欲しい。
ハト部cakes連載↓
羽賀さんのnoteでも有料でまとめて読める↓
やじまがハト部で一番好きな回は「バネちゃん」と呼ばれる兄弟の兄弟愛の回。
ちょっと泣いた。
不完全燃焼系学園マンガ、『ハト部』おすすめです。
こちらから下はマガジンを購読してくれてるあなたにお見せしちゃう。
やじまの創作の裏側?です。
今日の内容はこちら↓
3/6の日記
昨日やった作画(作画2P)
買った本
3/7の予定。
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