古民家がオイルで甦る
夫婦でPodcast「ヤイヤイラジオ」を配信しているいっぷくです。
今回はとっても簡単な古民家再生のお話をひとつ。
これまで漆喰や床張りなどのDIYを紹介してきましたが、難しいことがひとつもないのに、見違えるほど古民家が良くなった作業について、紹介します。
古色を感じる木材
築100年になるヤイラジハウスの古民家。母屋は立派な木材で建てられています。床柱や大黒柱、梁なども、すべて木で造られた住宅です。
おそらく立派な紀州材が使われているとのことですが、やはり年月には勝てません。どうしても古びた雰囲気を感じます。
よくある古民家は壁を漆喰にして、木材を暗い色に塗っています。白黒の濃淡が美しく、古民家がモダンになりますね。
ヤイラジハウスも、同じようにしようかと迷いましたが、木の温もりが心地よく、年月を重ねることで生まれた味わいのある木の色も気に入っています。
そこで、色を塗るのではなく、油を塗って艶を出すことにしました。いわゆるオイルフィニッシュです。
オイルフィニッシュとは
オイルフィニッシュとは、木目や木の色を生かして仕上げる方法で、木に油を染み込ませるだけなので、木の持ち味がそのまま残ります。
オイルフィニッシュをすると、木の内部に油が染み込むので、耐久性もでるようです。ワトコオイルなどが、オイルフィニッシュに使われる有名な塗料です。
オイルフィニッシュに向いている油は?
一般的なオイルステインは、油をベースにした着色料のことで、オイルフィニッシュにも使われるようです。
しかし、着色する必要がないのであれば、オイルだけでも仕上げ塗料になります。
オイルフィニッシュに向いている油は乾きやすい乾性のもの。
代表的なのは亜麻仁油やえごま油、ひまわり油などです。しかし、最近の健康ブームのためか、亜麻仁油やえごま油は、なかなかお高い!
そこで、地元の名産でもある米油に目を付けました。米油は半乾性の油ですが、一応オイルフィニッシュにも使えます。
普段の調理にも米油を使っているので、親しみもあります。親しみの問題ではないけど。
米ぬかをワックスに
オイルフィニッシュに米油を使うことを決めた理由は親しみだけではありません。
オイルを塗る前に、米ぬかで木を磨く計画を立てていたのです。
米ぬかは古くからワックス代わりに使われていた天然素材です。米ぬかで磨くと木材に艶が出るそうです。
体にもよいし、ぬかは手に入れやすい!
そこで、オイルフィニッシュ前に、まず米ぬかで木をすべて磨くことにしていました。
どうせ米ぬかを使うなら、仕上げの油も米にしてみよう。
これで、母屋の木材の仕上げは米ぬかと米油に決まりました。
米油でオイルフィニッシュ!
作業はいたって簡単です。汚れを拭き取ったら、手作りの糠袋で木材を磨き、米油を塗るだけです。
米ぬかは、不要な綿布に包んで、磨きやすいようにします。米油も、塗ったあとがベタつかないように、綿布でよく伸ばして木に馴染ませます。
意識したポイントは2つ。
よく乾くように、晴天が続く日に行うこと。
カビなどの予防のため、効果があるかわかりませんが天然のハッカ油も混ぜて使うこと。
作業はぬかで磨き、油を塗って拭き取りつつ馴染ませる…これをひたすら繰り返すだけ。
しかし、その結果がすごかった!
なんとなく古びてかすんだような色をしていた母屋が、艶を帯び、美しく輝きます。
油を染み込ませたあとは、しっとりした手触りで、なんとも言えない心地よさ。柱や梁、床の間の床部分など、くすんだように見えていた木材をどんどん米油で仕上げました。
写真で伝わるでしょうか。約半日の作業でしたが、オイルフィニッシュの効果は驚くばかり。
木の色がよく映えて、古民家全体がよみがえりました。ただ、油を塗っただけなのにイキイキした表情がよみがえるなんて!
木って、ほんとにすごいですね。
改めて、木材の素晴らしさを感じました。
米油にハッカ油を混ぜていてので、塗り終わったあとに清涼感のある香りが残ったのも嬉しかった!
ちょっとしたお手入れのような作業ですが、母屋がますますいい感じになりました!
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