一つの決断で人生が変わったという話。

20年前くらい前になるだろうか…。

俺は、当時付き合いはじめていた…いや付き合う前だったか…それくらいの間柄の女性と外出先の駅のホームで喧嘩をした。

険悪なムードのまま、俺は、電車に乗り込んだ。

彼女は泣きながら「ごめんなさい」を繰り返した。彼女の姿を見て…俺は、電車を降り、「わかったよ。俺も怒り過ぎたな。」みたいなことを言って仲直りした記憶がある。

それから20年くらい…その彼女は妻となった後、私の元を去った。

あの時の彼女は、おそらく(多分あたっている)俺がなぜ怒っているかもわからず、別れたくないからと必死にただ謝っていたのだと思う。

あの時、電車の扉が閉まるまでの限られた時間に、俺は判断を下さなければならなかった。

俺は、彼女が健気でかわいそうで…電車を降りるという行動をとった。

ちょっとした決断だった。

だが、最近、「あの時、そのまま電車に乗っていたらどうなっていたのかな?」

と思うことがある。

ま、思うだけで、俺的には後悔するとかはないのだが。それは、今はもうすっかり大きくなった、いとおしい子供たちが俺を好きでいてくれているのがわかるから。

しかし、彼女は、後悔をしているかもしれない…。なにせ、「俺の怒るポイント・理由」をわからないまま一緒にいたのかもしれないから。

もしそうだとしたら、そこに関しては、俺の情けが招いた悲劇といえるかもしれない。

もし、あの時に戻れるなら…俺はどうするのだろうか…

まぁ、そんな感じで。



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