哲学対話とビジネスデザイン

先日、社内でご縁あって哲学対話、というワークショップに参加した。
http://ardacoda.com

哲学対話。
パッと見、うさんくさく感じるかもしれない。

割と新しいものやスピリチュアルな話には一旦バリアー貼りがちな自分も、正直うさんくさいなぁ、と思った次第だ。

ただ、これがとても面白かった。
今回はそんな哲学対話の話から仕事であるビジネスデザインの話に接続して、書いてみる。

ちなみにこういう記事を書いてるときは、最初に結論があるわけではなく、いつも書きながら結論を考えている。正直、割とすらすら書ける方だなぁと思う。うん、なんの話だ。

哲学対話の話をもう少し説明しよう。
たとえば、「良い恋愛とは何か?」には答えはあるだろうか?

おそらく、ない。

哲学対話のワークショップではその答えなどない問いについて、答えがないものとして、グループで話を深めていく、そんな会だ。

そもそも結論を出す必要はないため、議論は良い恋愛とは何か?という初期の問いから、そのグループにとって、もっと本質的な問いに議論が自然とシフトしていく。

この議論を30分〜1時間ずっと続ける、そんなワークショップだ。

この哲学対話は、
深く考える能力と
深く考え続ける思考体力
が身につく。

そして、このワークショップを受けてみて自分は、あ、実はいつもビジネスデザインという仕事の中でやってることだな、そう思った。

そして、この深く考えること、考え続けることってビジネスを考える上でとてもキモになる部分だと思うので、今回記事にしようと思った次第だ。

さて、ここからビジネスデザインという方に話を切り替えていく。

ビジネスデザインといっても、
その領域は経営寄りの話や事業寄り、
たとえば事業開発など多岐にわたると思っている。
ただ端的に言えば、外部環境や自社の強み、ブランドイメージなど複数の変数を鑑みながら、統合的な視点で抱える課題に対してひとつのアンサーを見出すことだ、と思う。

事業開発というシーンにおいてよく聞くのが、AIを活用して、、
ブロックチェーンを活用して、、
〇〇テック、、

このトレンド乗っとけ感。
いや大事なのは分かるよ、いろんな意味含めてそれを言うのは、分かるよ。分かりますとも。

ただその見え方が、
トレンドに踊らされてるというか、
なんていうかその、とっても、チープなんだ。

違う、そうじゃない。
と思う。

なんでチープに見えるかは、そこに深みを感じないから。(技術や事業の戦略云々の議論ではなく)

なので大事なのは、哲学だ。
そう思う。

すなわち、
そもそもAIとは?技術とは?会社とは?社会とは?...

本質的な問いについてまず、考えることだ。
そこがない限り、残念ながら出来上がるものは流行りに乗ったなにか、ひねくりこねくり回しただけの表面的なアイデアで飾られた何かだ、と思う。

余談だが、こう考えてるからアイデアをたくさんブレストして、みんなで持ち寄って、そこから刺激を受けて新しいアイデアがでて、、的なワークショップはホントに嫌いだし、一応ワークショップデザイナーという資格を持っているがそういうワークショップは絶対にやらない。

アイデアに深みがでないから。

だからまず、
ビジネスデザインにおける色々な小手先のスキル、知識の前に必要なのは、

哲学する力だ。そう思う。
起点は常に自分なりの哲学から考えはじめる。

その行為は、はたからは理解され難いし正直しんどい。

それはなぜか。答えがないからである。いつまで潜り続ければよいか分からないからである。

なので思考体力がないと、すぐ答えという名の息継ぎをしたくなる。すなわちすぐトレンドを取りいれました、これなら問題ないですよね?もういいですよね?という名の息継ぎだ。

この哲学し続けることで、自分しか閃くことがなかったアイデアに巡り合う瞬間がくる。

そしてその瞬間が何よりも脳汁が出る瞬間だ。
その瞬間を味わうことがビジネスデザインの醍醐味だなぁと今日もひとりごちている。