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生きてて良かった ~妊娠から出産まで~

無痛だの和痛だのなんか他にも名前がある、硬膜外麻酔法を選んだわけだが、めちゃくちゃ痛かった。うん、とにかく痛かった。

麻酔がなかったらどうなっていたんだ、気が触れるとかそういう話じゃない、というくらい痛かった。

人生で一番叫んだと思う。

それでも、なぜか、まだ一週間も経っていないのに、不思議と陣痛の痛みを覚えていない。痛かったことは覚えているんだが、具体的にどうだったかが説明できない。月並みの、スイカが出てくる感じ、くらいしか言えない。

会陰切開のバツンと切られる痛みとチクチク縫われる痛みは覚えているんだけど。母体とは不思議なものだ。

むしろ、妊娠してから生むまでがしんどかったので、今のほうが健康とも言える。

初期のつわりはもちろん、中期も後期も妊娠にともなう症状に苦しんで、特に後期は痛み止めが効かず2~3日に一度は七転八倒していた。

看病する夫が参ってしまうほどに。

原因はなんとなく判明していたのだけど、痛み止めしか対処法がなく、その痛み止めも妊婦だから医者も軽いのしか処方できず、痛いときはあまりに暴れるから入院を勧められたほどだった。

痛みで死にたいと初めて思った。

そんな妊娠期だったけど、産んでみたら割と健康で赤ちゃんは超かわいい。ほっぺがぷにぷにである。生きてて良かった。

持病の悪化で休職中に妊娠して、会社の偉い人と直属の部下にアウトな発言を受け、一度復職したものの精神的に参り再度休職。

うつで参っている間に友人や恩人に怒られたり関係を切られたりしてダウン。

体調は悪化し続ける一方。激痛に耐えるしかない日々。

妊娠したらいけなかったのかと何度も思った。

でも、生きてて良かった。

目の前の我が子は超かわいい。夫は最初から変わらず、いや増して、支え続けてくれている。関係が悪かった母とは引っ越して距離ができたことで、やっと甘えられるようになった。

生きてて、子供を授かって、良かった。