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アダムスキーとの再会
あー。
なんだっけ?
喉まで出かかっている。
‥‥どころではなく、
とっかかりすら感じられない。
なにかが引っかかって
それをたぐれば思い出せた ―― 。
随分と昔のお話である。
しばらくして、ふっと思い出す。
しかし、思い出すまでの時間が
だんだん長くなっていく ―― 。
そして。
いつまで経っても思い出せない‥‥。
そんな段階に進んでしまったようだ。
記憶を探索するなにか。
その性能は落ちる一方で、
ついには引退してしまったのか。
これが老化というものか。
そんな先日。
UFOの話題になった。
カップ焼きそばではない。
未確認飛行物体のほうだ。
あの典型的な形のUFOには
アダムスキー型という名前がついている。
その「アダムスキー」が思い出せなかった。
天井を睨んで少し足掻くも、
ああ、これも駄目なのか、と、早々に諦める。
諦めたらそこで、と、
すかさず安西先生が脳裏をよぎる。
こういうのは忘れないらしい。
なんて思っていたら。
ああ、アダムスキーか。
3時間後くらいだったか。
唐突にふっと浮かんできた。
おお、珍しい。
思い出せた。
‥‥。
とはいえ、だ。
思い出せたのはいいけれど。
うーむ。
しかし‥‥。
もうちょっと、
有意義なものを思い出してくれないものか。
思い出せないよりはマシなのだろうが、
どーでもいいことばかり思い出すようになったら。
それはそれで‥‥、
うーん、どうなんだろう。
まぁ、いいけどね。
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