小さな危険な成功体験
耳がおかしい。
変な音がした。
右耳。左耳は平気。
耳の周りを触ってみる。
耳珠(蓋っぽいところ)を触ると、
今までに経験のない謎の感触があった。
皮膚と骨が部分的に剥がれて、
ずりずりとズレるような感じがした。
そんなことが起きるのか?
耳鼻科へ行けば
その答えが得られたかもしれない。
が、ひとまずは永遠の謎となった。
少ししたら収まった。
ああ、またか。
歳をとって、医者にかかることが増えた。
ちょうど歯医者が一段落したというのに。
これも何かの陰謀なのだろうか?
そんなわけあるかい!
なんて呟いてみても状況は変わらない。
餅は餅屋だ。耳鼻科へ行かねばなるまいか。
結果からすれば早合点であった。
2~3日して。
あまりゴソゴソ言わなくなった。
いつの間にやら治ったのか。
と思って耳珠をさわると、
とたんにゴソゴソ言う。
どうやら何かを心得ているらしい。
相方に見てもらった。
ん?
こういう時には
疑問形は聞きたくない。
小さなライトを持ってきた。
覗き込む‥‥、と、
あ!
だからなぜ耳元で叫ぶ。
なにこれ?
なんで?
知らんがな。
ピンセットを取りに行った。
耳用の、先が丸いやつ。
とれたよ!
叫ぶなって。
髪の毛。
相方が言うには、
弾力が猫のヒゲっぽい、と。
猫は飼ってないからなぁ。
ともあれ、5センチくらいの毛が
耳の中に引っかかってた、とのこと。
それが鼓膜を刺激して、
あの謎の感触になったってところか。
骨伝導みたいなものかね?
それはちょっと違うと思うよ?
これは、耳鼻科に行ってたら、
30分待って処置5秒、会計にまた30分てところか。
とはいえ。
この小さな成功体験は、
気をつけないと事故に繋がるに違いない。
幸い今回は簡単に片付いてしまったが、
場合によっては手遅れにもなりかねまい。
自助、共助、公助。
先日の菅(すが)さんの発言を思い出した。
これについては色々あるが、ともかく。
自分でできる範囲はどの程度か。
これを見誤らないようにせねばなるまい。
知識を得るのは楽しいが、
知識を使うのはちょっと怖い。
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