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#055. 空気感謝
変なことを思い出した。
小学1年の秋頃だと思う。図工の時間だったか。いつもお世話になっている◯◯さんの似顔絵を描こう。そして◯◯さんへプレゼントしよう。
みんな「はーい!」
わたし「え?」
小学校は国道沿いにあった。交通量が多い。近くに交差点がある。そのすぐ近くの雑貨屋の店主だった。毎朝毎夕、黄色い旗を持って横断歩道に立ち、登下校する子供たちを見守っていた。
素晴らしい行いである。間違いない。なかなかできるもんじゃない。そりゃあ似顔絵を贈られようってものだ。
が。
問題があった。
通学路、違うんだよね。
そこ、通らないんだよね。
◯◯さん、
見たことないんだよね‥‥。
その旨を先生に伝える。
しかしなぜか謎の叱責。
知らないはずがありません!
こんな意味不明な人をどうにかできる何かがごく普通の小学1年生に備わっているわけもなく。結局、それっぽく描いて誤魔化しましたとさ。
隣の子「似てないねー」
わたし「そりゃねー」
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