暗闇にて
しまった!
眼の前が真っ暗になった。
思わず声が出た。
湯船に浸かっていた。
肩まで沈み「ふぅ」なんて言っちゃって。
あー、だの、ふはー、だの、いかにもな、とってつけたような。とはいえ、だ。ある意味では、などとつけなくても普通に至福の時間であるのだから、まぁ、そんなものだろう。
平和であった。
過去形であった。
色々なことが脳裏を巡る。一日を振り返る時間でもある。良かった点、悪かった点、必要なら対策などなど。色々と考えたり、ぼんやりしたり。
不思議とこの時間は何かを見つけ出すことが多い。気がする。気のせいかもしれないが、ともかく。
古来「三上」という。さんじょうである。ミカミではない。いや、ミカミでもいいがここでは違う。馬上、枕上、厠上である。欧陽脩。なにかをひらめきやすい条件とのことである。
私の場合はこれに、路上(散歩)や車上(電車や自転車)などが加わる。風呂の「○上」はピンとこない。「湯上」でよいのか。もっと気の利いた表現もあるに違いない。ちなみに「風呂上」という名字があるそうだ。全国におよそ10人とのこと。
そんな風呂で、ふと、唐突に、だ。
!!
ああ、しまった‥‥。
しばし嘆息する。
あ ーーー。
そうだったか ーーー。
予兆はあったのになぁ‥‥。
これは、参ったね。
独り言にエコーがかかる。
見上げる天井。
まとわりつく湿気。
眼の前が真っ暗。大げさな表現ではない。リアクションがゆるめなのは歳のせいだろう。加齢も良し悪しである。あるいは後からジワジワくるのかもしれないが。
少し考える。
さて、どうしよう。
ふむ。まぁ、仕方がないか。考えはまとまった。これも年の功ってやつか。若ければもっと色々あったかもしれない。詰まらない人間になりつつあるのか。少しふらつきながら風呂を出た。
23時を過ぎてはいたが。
確認して、注文。さすがはヨドバシさんである。素晴らしい。明日には届くそうだ。遅くなっても19時くらいだろう。風呂の時間には十分に間に合うだろう。
外してみたらLED球だった。調べるに5年保証だったようだ。10年くらいはお世話になったように思う。次もLEDにしておこう。寿命が尽きる前に引っ越す予定だが、まぁ、それはそれ。おつかれさまでした。
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