200702【僕たちとゾーン】
先日、WEBサイトのニュース記事で4人組ガールズバンド・ZONEの元メンバーMAIさんの妊娠を知った。
懐かしい名前とおめでたいニュース。
まず、「MAI」って改名してたんかいなとツッコむ。「MAIKO」じゃなかったっけ。
33歳、妊娠。そっか、そんな年齢だよなぁ、ZONEって。ZONEのメンバーの年齢構成は、自分と同い年や、ちょっと年上がいる感じだ。
ZONEについて、ぼんやり思い出しながら書いてみる。
ZONEというガールズバンドを思い出すと、どうしても2001年リリースの「secret base 〜君がくれたもの〜」、その曲が主題歌となったドラマ「キッズ・ウォー」が出てくる。「キッズ・ウォー」、観ていたなぁ。昼ドラの時間帯って、どうしても学校があるから観ることができないのだが、キッズ・ウォーシリーズはよく夏休みの期間に放送していて、午前中の野球部の部活の後、昼ごはんを食べながら自宅で観て、それから仲間で集まってパワプロというのが、一つの流れだった。
当時、自分は中学生。ZONEを「可愛い」、「好き」という感情で応援していた友人も居たなぁ。また、ZONEをテレビで見て、ギターを始めたクラスの女子は居なかった。女子がギターを持つ。というのはまだ時期尚早な時代だったのか、それともw-inds.が好きだったのか、まあ、どっちでもいいや。
仲間で集まってPS2のパワプロで対戦をした際は、サクセスでオリジナル選手を作ってチームを編成するのだが、ZONEのメンバー名の選手が溢れていたのを覚えている。それだけ、自分たちにとって、ZONEという存在は大きかったのだと思う。ペナントレースを回すと、打撃ランキングの上位にZONEのメンバーが入っていたなんて、もう覚えてないや。
あの当時、秘密基地はなかったが、遊んでいた戦友たちとは意外と付き合いは続いているし、LINEグループも機能している。パワプロのメモリーは残っているだろうか、残っているのであれば、観戦モードで試合を観ながらハイボールを飲みたい。
「secret base 〜君がくれたもの〜」 の歌詞を辿り、“10年後の8月 また出会えるのを信じて”とあるが、来年でもう20年が経つ。20年かぁ。さすがに年を取りましたね。よくもまぁ、ここまで来ることができましたね。
ZONEのMAIさんは妊娠、自分の周りに目を向けると、当時クラスのヒーローだったヤツが父になったり、クラスのマドンナも母になった。「ざけんなよ。」と叫んでいたヤツはどこへ行ったか。そもそも、そんな言葉を校内で叫んでいた極悪生徒は居たのだろうか。他にも、会社を立ち上げ社長になったヤツ、テレビにも出るくらい活躍しているヤツ、自分の店を構えているヤツ等。各々がそれぞれのフィールドで活躍している様子を見る。
自分は一応結婚はしたものの、将来の夢、大きな希望は「何だったっけなぁ。」とぼやいてしまう。2001年の時に思い描いた将来の夢、大きな希望なんて、何も叶っていない、というか、まず当時将来の夢、大きな希望なんてあったかと考える。プロ野球選手、学校の先生にもなれず、目の前にある選択の交差点でベターな選択ができているのか分からないけど、なんとかどっこい生きております。いやぁ、まさか東京、渋谷で働いているなんて思わなかったわ。
この先の10年後は何をしているかな。30年以上、明確な夢や希望を持たなかった人間が、いきなり夢や希望を持つことなんて無理だと思う。惰性で生きてりゃ、何か起きる。と、やっぱり他力本願で行けるとこまで行ってみよう。と思っている。すっかり30代に入り、おじさん化が進む中、なるべくトレンドを押さえようと努力しているが、タピオカミルクティーは飲んでる途中でギブ、SNSは登録したっきりで活用できてない、横文字で溢れるビジネス用語は耳に入ってきた瞬間にググる、を繰り返しながら、今年も一番キライな季節、夏がやってきそうだ。
キャリアを描け、このダメ人間め。
あの歌から20年が経とうとしている今はこんな感じなので、歌詞のとおり、10年後の8月、リリース時から数えて2011年の8月、何をしていたかを思い出す。
まず、ZONEは何をしていたかネット検索してみると、“10年後の8月”に1ヵ月限定で再結成とニュース記事が残っており、赤坂BLITZにて復活ライヴ、ZONEの楽曲をガールズ・アーティストたちがカヴァーする『ZONEトリビュート~君がくれたもの~』がリリースされていた。
めっちゃ活動していたじゃん。
あと、アー写を見たら、一人脱退している。MIZUHO選手が居ない。2001年当時は、MIZUHO選手が一番可愛かったと思ったのに。可愛い娘が表舞台から消えるのは、寂しいし、何かあるんだなと勘ぐる。色々あるのだ、華やかな世界も、我々も。
さて、自分は当時、新卒1年目の社会人だった。8月は夏フェスに行けず、お盆休みも出社して、仕事をしていた。まだスマートフォンは持っていなく、ガラケー、iモード、メールでのやり取りが専らだった。その年、大学卒業の3月に東日本大震災が起き、まだ世間は暗い状況で、何か自分も孤独を感じていた。大学生の時とは違い、社会人、一応正社員。仕事に対する責任や慣れない環境がキツかったなぁ。その時、パワプロをしていた中学時代の馬鹿どもとは会っていたかな。皆、新生活を迎えて、まだ慌ただしかったと思う。
大学生の時は、お盆や正月に地元の居酒屋に集まって、べろんべろんになるまで飲んでいたけど、社会人1年目、この2011年は何をしていたか、あまり覚えていない。
ZONEの歌を口ずさむこともなかったなぁ。当時口ずさんでいたのは、神聖かまってちゃんだった。「23才の夏休み」を営業車の中で歌っていたかな。自分の中で新社会人生活に対して「どうにでもなれ」精神があって、そのせいか、高速道路で事故ってしまい、JAF呼んだからね。よくもまあ、生存できたわと。
2011年の8月にタイムスリップして、皆に会えたなら、ゆっくり酒は飲みたいけど、甲子園で勝ったときのような大声で「secret base~君がくれたもの~」を歌おうとはならないだろう。これまで何度カラオケに行ったか覚えてないけど、ZONEを歌う人、あんまり見たことないなぁ。アイドル的人気が先行しすぎて、曲の評価はどうだったのだろうか。
ただ、自分は高校時代、野球部マイクロバス車中のカセットテープには、ちゃんと「glory colors ~風のトビラ~」を入れていた。たしか、その年の熱闘甲子園のテーマソングに起用されていて、自分としては、 「secret base~君がくれたもの~」より頭にメロディが残っている。
そんなZONEも、盛者必衰という言葉の通りか、自分の高校時代、2005年に解散したとなっている。当時は正直思い入れがなく、「そっか、その時期に解散したんだ。」という言葉で終わってしまう。
もう一度、聴き直してみよう、ZONEを。取り急ぎ、ネット検索で動画を観たり、友人たちのLINEグループのBGMをZONEにしてみた。そうしたら、一人、反応してくれた友人が居て、彼とZONEについて語りながら、ハイボールでも飲みますかと思ったが、彼は生粋の氷室京介、BOOWYフリークであった。リアルタイムでBOOWYを聴いたことないのに。ざけんなよ。せめて、その友人には今後予定される結婚式のどこかで流してほしい。二次会でも良い。つうか、ZONEでハッピーウェディングソングにリンクする曲はないと思う。友人代表の手紙を読むシーンで、アコースティック調のユルいスピードの secret baseならギリセーフか。いや、そんなに自分はここで書いたところでプロデュースできない。
そんな感じ、ZONEって。
最後に、“君がくれたもの”って何じゃ。とりあえず、中学時代に戻れるなら、放送委員会に入りたい。給食の時間に校内放送をジャックしたいから。あと、「ざけんなよ」と叫ぶなら、中学の3年間、担当の先生が変わらず、その先生が問題ある先生だったからだ。
ざけんなよ、あと、鬼楽しかった。