糸 ~せりBDE回顧録(2)〜
2024年2月20日にバーレスクTSで行われたせりのバースデーイベント振り返り。1部クィーン演目から書いていきます。
SPパ『Prisoner of love』についての考察は↓↓↓こちらから
FCD
今回を振り返ると、最近の他のイベントに比べて事前の公開情報が少ない印象があった。もちろん色々な兼ね合いがあったのだろうと思うが、相方なみとのSM⛓❤️🔥と2部の新作ソロ(それでも十分な目玉なのだが)以外は目立つものはない。超ド級のサプライズはあるのだろうか?
当日は仕事の兼ね合いで店に着いたのはちょうど1部のショータイムが始まる直前。ショー前挨拶でのインプットもなく、さぁスタート!という直前に隣に座る某舎弟が呟く。
💎「今日未公開のクィーン演目あるらしいんですよね。ワンチャンせりマティーニ🍸やるんじゃないかと思ってます」
なにその直前情報⁉️確かにせりと言えばその身体の柔らかさが最大の武器で、スプリットなどFCDはそれを発揮できる演目。せりならマイナスの角度(つまり、スプリットで足とグラスの縁が並行以上)までいけそうだし、見てみたいと思っていたお客さんも多いはず。いや、でもFCDなら集客のためにも絶対告知するだろ...と頭をぐるぐる思い巡らせるうちにイントロが始まる。
カーテンが開いた瞬間、フロア全体を包み込む歓喜の声援。
キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
みんながそう思ったはず。いつもにも増して凛としていながら、我々からの視線を受け止め、それを大きな愛で包み込む柔和な表情でグラスの上に鎮座するせりには初クィーンと思えない風格が漂っていた。
中盤、誰もが知ってるこの演目を象徴するポージング。度重なる練習や追い込みで、一流ポールダンサーのせりの体幹をもってしても身体は極限の疲労に達していただろう。小刻みに震えながらも懸命に我が身を支える姿に激しく胸を打たれる。この日に賭けるせりの覚悟を感じたフロアものっけからテンションMaxの声援で答える。もうこの時点で今日の成功が約束されたと確信する最高のオープニングだったと思う。ここに新たなTSが誇るマティーニクィーンが誕生した👏
SM
そして、1部のもう1つの目玉。せりにとってかけがえのないパートナーなみとの歪んだ愛の世界⛓❤️🔥なみは元々M役でクィーンをやっている訳だし、反響次第ではこのペアでのパフォーマンスが今後あっても何ら不思議ではないのに事前の「この日この時限り」という告知。これは絶対見逃せないと誰もが思っていたことでしょう。
なみのMでの経験を活かし、言葉を選ばずに言えば2人の「見た目の印象」を尊重して
S=せり
M=なみ
というのが大方の予想だったと思います。ただ筆者の中には願望が2つあった。
1つ目はこの2人と接している皆さんなら共感してくれる部分があると思いますが、この2人、見た目の印象と内面が意外と違うタイプ。(あんまり書くと怒られそうだけど、男性っぽく物事に動じないなみ、と繊細なせり、って感じ)
なのでポジション逆転でのパフォーマンスがあれば従来の2人の殻を破る一つの転換点になるんじゃないか、という点
そして2つ目は、イメージと内面、この2つのギャップの融合、つまりショー中のポジションチェンジがあればこれはエポックメーキングな作品になるのではという点
筆者の記憶から出てきたのは、1度TSで本店のエリー/みのりが披露したスイッチVer.。ライブ参戦してないので映像だけだが、相当な衝撃を受けた。これが来れば激アツだ、と密かに期待していた。
カーテンが開き、拘束台の2人が現れる。来た‼️第一のポイント、逆転ポジション‼️
なみ自身も振り返りで書いていたが、この日の前半は主従関係を強く印象付ける、というものではなく、イコールな関係で大切なパートナー、という印象が強かったと感じる。直接的なアクション(ぶつ、吊し上げる)での表現が少なかった分は、2人の表情がそれをカバーしていたと思う。
そしてセンターサークルへ拘束台が運ばれてきての大サビ前。なみに背を向けるせりの手には自らを縛り付けてきた鎖⛓️
まさにドンピシャで見たかった激情の愛のクロスオーバー‼️せりの表情はまるでキルディスの鬼を彷彿とさせ、全てから解放され爆発したSの覚醒を感じたし、一方で、戸惑うなみが徐々に攻められることの快楽に溺れていく表情の変化が素晴らしかった。
前半の『静』から一気に『動』へ。私たち2人から目を離すな!と言わんばかりの圧倒的な世界観を見せつけてのラストの表情は、『2人で辿り着いた真の愛の境地どうだった?』との問いかけにも見えた。
⚠️ちなみに当日は機材トラブル(センターサークルが回転しない)の中で行われてたが、上述の2演目も含めて各演目のクィーンはものすごく工夫して、フロアの左右で見えの優劣がつかないようにしていた点に改めて拍手を送りたい👏👏