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実戦、真剣勝負と言う言葉と真剣で勝負

護身に関する動画のコメント欄に気になるコメントがあった。
「学生時代の空手試合で相手が転ぶよろめく等した時に、「待て」が掛かってないのに追撃しなかった、それを監督に酷く叱られ当時はそんな卑怯な事が出来るかと反感を持った。でも今では監督が正しかった、自分が甘かったと思っている」 
大体こんな文章、正確な文言ではありません。高評価70程もあったどうなの?

↓これが返信に書いたコメント
「非常時を想定する事は重要ですが、昔の貴方が正しいと思います。直ぐに甘いと言う人達がいますが間違いです。試合に出る人全てが真剣勝負を求めているとは限らないからです。
あなたがその時の相手を大怪我させれば、後悔もするだろし、相手もしくは親族に復讐されるかも知れません。
「布学寛 勝つとは何か」で検索すると分かり易い例がnoteに書かれています。」 」
↑ここまでがコメント

この監督曰く「真剣勝負なんや」だそうだ、そんなに真剣勝負が良いならこの生徒は先生の草臥れた時にでも、真剣を抜いて先生に勝負を挑んで欲しい。先生は余計な事を言わず「応」と素手で受けるだろうか?多分受けないと思う。
少なくとも侍なら素手でも受けるか近くにある棒を探す等、早い段階で察知して何か用意するか、近づく前に逃げる筈。
いや真剣で勝負と真剣真剣は違うだろと思った人は「真剣」とは何を指して言っているのだろうか、この意見は仕事柄毎日刃物を使い研いでいる自分から見れば言っている事が「鈍器」的で刃物的な鋭さが全く感じられない。

そもそもで言えば、電車や駅等で襲われたらと言う動画で書くコメントでは無い、他にも試合との区別が無く容赦しては行けないと言う様な似たようなコメントが沢山あった。
なんでこんなコメントが多いか、結局この手の動画制作者はそう言う意見に誘導している面が大きい、言質を取られない様に言葉を選ぶとコメント欄は作者が直接言ったら問題になるような汚いコメントで埋めつくされる、作者は確実に分かって行っている、得するとか以上に意のままにコントロール出来て楽しいのだと思う。
自分以外にも似たような「昔の貴方が正しい」という返信が幾つか有った。思えばこれはコメ欄の空気を読まないコメントなのかも知れない。

この文章を考えている内にこんなニュースが流れて来た

空手大会で小学生が背後から後頭部に蹴り
https://www3.nhk.or.jp/lnews/miyazaki/20241113/5060019787.html

これはフルコン系の大会の試合で、攻撃を受けた後に、顔を抑え後ろを向いて「まて」も掛かっていた状態でセコンドから「行け」の声で後頭部を蹴った結果、「全治3週間の頸椎捻挫」もっと酷い結果になってもおかしくない。
これが「真剣勝負なんや」の結果、多分表に出て無いだけで相当似た様な事があると思われる、実際YouTubeにはプロではない試合でこれ大丈夫か?と言う様な動画が上がっている。
自分の10歳離れた弟(今は30半ば)が10代の時にこんな事をやられたら自分は復讐すると思う。復讐は本人以外にも出来るし、現代なら相手の情報をネットに流しまくる方が有効かも知れない、「実戦」の枠組みも「復讐」も環境により変化する。

実戦と言うと殺伐としたものを想像すると思う自分も昔はそう思っていた、でも空手大会の実戦はルール内こそが実戦になり限定されているからこそ磨かれる技術がある。
現代ならルールを破り相手を大怪我をさせれば裁判で莫大な金額を払う事になるかも知れない、それを生涯を通じて払うなら「負け」としか言いようがない。
勿論試合のつもりで暴漢を制圧しても、隙を突いて自分や近しい人が酷い目に遭ったらそれは「負け」に成る。
そうならない様に緊急時の練習するなら試合をするより「システマ」や「JKD」の様にゴム製のナイフで攻撃する、防御する練習、刃物を使っての練習等をした方がよっぽど有意義だと思う。
学生なら試合が目指す方向性は、平凡だけど心身を健全に成長させる程度で良いと思う、そもそもプロでも無いのに相手を倒す必要は無い。

コメントに書いた「布学寛 勝つとは何か」で検索すると分かり易い例がnoteに書かれています。」
この先には高度とは何かが書かれている、考えれば分かるけど暴漢を無傷で抑える方が圧倒的な技量が無いと出来ない、どうせ練習するなら到底不可能でもそっちを目指すべきだと思う。

一つ思い出した話し
ある武術の先生の母は高校テニス全国でトップクラスの選手。試合中に顧問の先生が「お前達勝ちたく無いのか」と他生徒達を叱った所、その先生の母は「そんな事言われて迄勝ちたくありません」とハッキリ答えて先生を黙らせたそうだ、こっちの方が圧倒的にカッコいいし立派な態度。ビジネスの影響なのか冷酷で効率的で人を叩き伏せる事が良い様な風潮には出来るだけ賛成したく無い。いつも言い成りになっているけど、、、

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