ソニー創業者、盛田昭夫さんによる著書。
自身の生い立ち、第二次世界大戦、ソニー創業からヒット商品の開発秘話、世界進出、日本的経営からテクノロジーの進歩まで。
ものすごく幅広いテーマをカバーしながら、全盛期のソニーの急成長を追体験できる長編ドラマのような一冊でした。
各所に盛田さんの哲学が詰まっていて、1回読んだだけでは消化しきれない感覚もありますが、読んで良かったです。
以下、本書から印象に残った箇所を抜粋・コメントしていきます。
あのソニーも最初は失敗の繰り返しだった。
あのソニーも戦後まもない創業時はボロボロの事務所だった。
あのソニーも最初は受託開発から始めて、ふとしたキッカケからテープレコーダーの開発に至り大成功した。
トランジスタとの出会いがその後のトランジスタラジオの開発につながり、ソニー躍進の原動力に。
アメリカ視察やオランダでのフィリップス工場の視察から得たものは大きかった。
「ソニー」は当時としては斬新で前例のない社名だったが、相当なこだわりを持って決めたものだった。そして海外展開への想いは大きかった。
この発想からこの後、ニューヨークにソニー製品のショーケース(直販ショップ)を開く。今で言うApple Store。盛田さんは製品開発を深く理解しながら販売とマーケティングにも精通していた。
ソニーの哲学が一番よく表れている製品がウォークマン。自分も中高生の時にはお世話になった。
どれだけ大きな契約金額でもOEMでの製品供給の提案は断っていた。それほどソニーのブランド構築に盛田さんは心血を注いでいた。
USでの挑戦と子供の教育について盛田さんの哲学が表れている。
盛田さんの経営哲学。
盛田さんはテクノロジー・製品・販売の3つの交差点に立ちそれぞれに深く精通していたのだと感じた。
ソニーと盛田さんの成功について印象に残ったのは以下
かなり裕福な家庭に育ったもののゼロから挑戦するチャレンジ精神
新しい技術を応用して独創的な製品を作り、ユースケースを提案することで市場を作る
最先端の事例や新しい技術にアンテナをはり適用先を妄想する
ソニーというブランドの構築を大切にする
テクノロジー・製品・販売の交差点に居続ける
移住までして覚悟を決めていた海外進出
社員と人を大切にする日本的な経営