ロシア語はとにかく格変化が厄介だ
口が覚えるロシア語より。
ちょっと悩んでしまったのがこちらの一節。
в раскопках буддийских храмов
(仏教遺跡の発掘において)
раскопкахは語尾がахなので複数名詞前置格。
↑は他に選択肢がないので問題はないのですが、いつも悩むのは選択肢が複数あるときです。
буддийскихは語尾がихなので形容詞複数生格か複数対格か複数前置格
храмовは語尾がовなので名詞複数生格か複数対格
この一節で紛らわしかったのは、в раскопкахの部分が前置格だったことです。
じゃあ後ろに続くбуддийских храмовも前置格なのかな?と思ってしまったわけです。
でもそうすると「名詞 形容詞 名詞」という並びになって、なんのこっちゃな感じになります。
しばらく悩んで、やっと思い出しました。
ロシア語にも日本語と同様「●●の◆◆」という表現があるのです。
「遺跡の発掘 」とかまさにそれですね。
「発掘」という名詞を「遺跡」がまるで形容詞のように限定する用法なのですが、これは名詞で名詞を限定してます。
ただロシア語と日本語では順番が逆になります。
「遺跡の発掘」であれば「発掘 遺跡の」という順番になります。
в раскопках(発掘) храмов(遺跡の)
ほいで、この表現をさらにややこしくしてるのが、形容詞の存在です。
「遺跡」も「発掘」も名詞ですから、形容詞で修飾ができます。
つまり、
в раскопках(発掘)буддийских(仏教的な) храмов(遺跡の)
のように、「発掘」と「遺跡」の間に形容詞「仏教的な」が挟まってるの訳です。
もっと正確に(生格なだけに)複数なニュアンスも表現すると、
「仏教的な遺跡群の諸々の発掘において」
という感じになるでしょうか。
つまり、
в раскопках(名詞複数前置格)буддийских(形容詞複数生格) храмов(名詞複数生格)
というカラクリでしたー。
ややこしいわ!
ロシア語はこんな一節でも、結構な情報量というか、考慮しなければいけないことがたくさんあります。
ロシア語の名詞と形容詞には、格変化という文法ルールがあるからです。
格変化とは、「~が」とか「~を」とか文においての役割で名詞や形容詞が変化することです。
日本語であれば「てにをはがでへ」などの助詞を名詞の後ろにくっつければ大抵こと足りるのですが、ロシア語は単語の形(主に語尾)を変えてしまうのです。
ミルクがミルケになったり、ミルコになったり、ミルカになったりするということです。
今日登場した単語も、
раскопка → раскопках
буддийский → буддийских
храм → храмов
といった具合に原形から格変化しているわけです。
格は
主格(~が)
生格(~の)
与格(~に)
対格(~を)
造格(~で)
前置格
の6つあります。
じゃあ一つの単語につき6パターンの変化を覚えなくちゃいけないんだね大変だね!
となるところなのですが、単数形だけで6パターンです。
これに複数形6パターンが加わるので合計12パターンです。
最近のプーチンさんのウクライナのあれでロシアに良くない印象を持った人は増えているかと思います。
しかしながら、ロシア語学習者はもっとずーっと前からロシアに対して「ちょっとヲイ」と感じていたのですよ私を含めてね!
みなさんも、ロシア語を見かけたら近寄らないようにしましょうね!