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やぎさん家探し③〜古民家探しの矛盾〜
ポータルサイトで物件を検索して、いい物件が見つかったら、実際に某有名不動産屋に電話で事前に予約をした。
買う方の不動産屋に行くのは人生ではじめて。(賃貸では経験済み)
自分に馴染みがなさすぎて、すごい緊張した記憶がある。
どんな物件を希望してるか条件を用紙に記入し、それをもとに話を聞いてもらい、いくつか物件情報を見せてもらった。
私たちもサイトで調べて良さそうと思っていた、加古川の平荘町の物件を実際に内覧に行くことになった。
後日、不動産屋の方と現地集合。
その物件は、築90年程度の立派な古民家。
土地の広さ80坪程度。
前の道路4メートル。
土間があり、梁のしっかりした納屋もあった。
価格800万円ぐらい…?
(↑ちょっと記憶があやしいです)
物件の周辺、中の状況を見て、うーん…物件は悪くない、前の道も広い。
築年数も古くてしっかりしている。
距離も自宅から20分圏内で、金額も良い感じ。
でも、周辺の雰囲気が暗いのと、どこか湿っている感じがする、車が2台しか停めれず縦列駐車になること、道路から自宅へのアプローチに大きな石垣のような段差がある、庭の広さが思ったより少ない、など引っかかる点があり、見送った。
あとは、はっきりとこれが、、とは言えないけど、ここに住みたい!とか、自分たちが住んでいるイメージが湧かなかった。
周辺の雰囲気や、その場に行くことで感じるイメージは実際見に行かないとわからないなぁと思った。
物件をデータ上の写真や内容で見るのと、実際に現地に目で見に行くのとでは、見る視点も感じ方も全然違うなとこの時はじめて思った。
うまく説明できないけれど、とにかく少しでも気になったら、すぐに現地へ見に行く!これに尽きる。
もしかしたらそれで、思ってたのと全然違うかった、、ということもあるかも知れないけど、それはそれでまた別の視点も得られるし、探す気持ちも次へ向けられる。
私たちが今まで探してきた中で、サイトで見る物件情報よりも、実際に目で見た時の方がよかった!と思う物件はさほどなかったと思う。むしろ逆はめちゃくちゃあった!
「あれ、なんか写真と全然ちゃうやん…」は、もはや、あるあるすぎて、だんだんとこちらも学んでくるようになる。
あ、この写真の撮り方はもしかして、前の道路がめちゃ狭いんじゃない??とか、広角で撮ってる?なら、本来はもっと狭い?とか、、笑
そこは不動産屋も物件を売るプロだから、売れるような見せ方をするんだとは思うけど、写真で見る広さの感覚は本当に実際と違うことが多い。
実際に不動産屋にも行って物件を見にいったけれど、なんかしっくりこなかった。
モヤモヤもする。
なんでだろう?
しばらくして気づいた。
私たちの想いとか気持ちとかを、ほんまにしっかり聞いてもらったんかな?という事。
不動産屋は私たちみたいな不動産を買いたい人の条件を聞いてそれに合う物件を提案してくれる。
だけど、条件だけ聞いてほんまに分かるんかな?
なんでその条件を希望しているのか?という想いまで聞いて、はじめてその人に合う提案がなされるのではないか、、?
今回の不動産屋はただただ、条件だけを淡々と確認していたように感じた。そして、「古民家?それは数年に1件出てくれば良い方ですねー。なかなかないもんですよー。」
と寄り添ってくれる雰囲気もなかったし、何となくめんどくさそうな雰囲気さえ感じた。
もう、あそこの不動産屋で物件探しするのは嫌やなぁ…
と私がつぶやいたら、夫も同じことを思っていた。
当時、歩き始めたばかりの長女が一緒だったこともあり、不動産屋に連絡して内覧の予約して、当日現地で…の工程が少し大変だった。
中は見れなくても、外観や周辺の雰囲気だけでも思い立った時に見に行こうと思い、それからは良さそうな物件があると、自分たちだけで街を散策する感じに外だけをまず見に行った。
ある時、高砂市にある見に行った物件が車が入れないような細い道の中にあるような場所で、近くのお店に少しだけ、とお願いをして車を置かせてもらい、住宅街の中の古い家ばかりの村のような所まで3人で歩いて行った。
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周辺の街を歩くのはすごくよかった。
その街の様子や雰囲気がよくわかるし、顔を合わせた住民の方々と挨拶したり、歩いているとコミュニケーションもとりやすい。
私たちの条件には合わず、物件のところまで車が入れないと分かっていたけど、夫がとにかく見に行ってみよう!と前向きな気持ちだったので、私も渋々ついていった。
(↑今なら進んで見にいくと思う。笑
なぜなら、条件に合わなくても何か気づきのポイントがあるかもしれないし、なぜこの物件が自分たちに合わないのか?を目で見て実感できることもあるから。その物件が気になった時点で自分にとって気づく何かがあるのだと思う。)
スマホで地図を見ながら自転車や歩く人しか通れないような細い道を進んで、物件まで到着した。
その物件は母屋の建物以外にも、前面道路挟んで向かい側にも倉庫のような建物や、隣には畑もついている物件だったので、サイトの写真と照らし合わせながら、これかな?あれかな?と2人であーでもないこーでもないと、物件の敷地には一切入らずに物件周辺を少しキョロキョロウロウロしていたと思う。
すると突然、「どーされましたかあー⁉︎」と大きな叫ぶような声が遠くの家の方から聞こえた。
びっくりして辺りを見るも誰もいない。
え?と思い、声の聞こえた隣のお宅の方を見ると、家の縁側の辺りからこちらを見ているような2人のお顔に気づいた。
「どーされました?」と文字にすると、一見こちらの事を心配しているような言葉に聞こえるが、その時その場にいた私たち2人とも、「そこで何をしているんだ⁉︎不審者か⁉︎」とでも言いたげなトーンだと感じた。
ほとんど顔も見えないような距離から叫ぶような声で尋ねられたのか、怒られたのか分からないような言葉に、驚いて言葉が出ない私。
夫がすかさず、「こちらの物件を見に来たんです!」と叫ぶようにはっきり返答して、向こうの方も納得した⁉︎ようだった。
もう少し見たいところだったけれど、もうそれ以上その場に居たい空気、雰囲気ではなく、そそくさと退散した。
とぼとぼ車までの帰り道を3人で歩きながら、あれは何だったんだろう…?と話す。
怒ってたのかなぁ…怪訝そうな、言葉にトゲがあるような?そんな口調だったねー、、
長女も居たのにそんなに怪しかったかな?
お隣が売りに出されているのを知らなかった?
でも、あの言い方は怖かったねー。
コミュニケーションの仕方から、そこに住んでいる住民以外、受け付けない…そんな雰囲気がある。と感じた。
古民家がある地域はどうしても古くから住まわれてる方々で街が作られている。なので、他所から来る方々を
歓迎していない場所もまだまだあるのは知っていた。
けれど、こんなに身近に、私たちがそんな場面に遭遇するとは思ってもいなかった。
どこか他人事でもっと田舎の話なのかと思っていたけれど、そんな事ないんやと、この時初めて知った。
古民家に住みたい…
だけど、村に住む方々から歓迎されるのか?
他所から来る私たちが住民の方々と上手くやっていけるのか?
そして加古川周辺の古民家のある場所は、大抵が昔の道路幅の基準のままになっており、道幅が狭いことが多いと、この時分かった。
(車が入る道が作られていない)
という事は、古民家に住みたいけれど、【家の前の道路は広めが良い】という私たちの希望は矛盾してるのかもしれない…。
この時初めて自分たちの希望の古民家を探すの事が、もしかしたら難しいのかもしれない…と気づいた。
つづく