映画感想 『パラサイト 半地下の家族』
話題の『パラサイト 半地下の家族』を観てきました。
うっかりネタバレが入るかもしれないので、観る予定がある人は読まない方がよいかも。
人に勧めるかどうかと言ったら微妙。
決して愉快な話ではない。
『ジョーカー』の匂いに似ているとも思うけれど、もっと泥臭くした感じかな。あの映画の悲壮な中に漂うアート感みたいなものは、こちらには無い。
とても、即物的。
覚悟していたほど、悲しい気持ちにはならなかった。
なんというか。
ふてぶてしい、根性がある一家が、井戸の底から岩壁をはいあがってくる感じ、というか。
韓国ものって、そんなにみたことがないんだけど、テレビドラマだったり、映画だったりでちょこっとだけは出会っていて。
それと合わせた感想としては。
「バイオレンスシーンがえぐい」。
そういうのが好きな人には普通なのかもしれないけれど、私は思わず薄目にしないと気を失いそうになる。
時間的には、怖いシーンは長いわけではない。
でも、「お、おう・・・」となる。
ストーリーは「もろ格差社会の話」で、出演者の顔も、街並みも、日本と似ていることもあり、邦画を観ているみたいに、非常に背景がわかりやすく、すっと入ってくる。あっという間の二時間。
タメになる映画なのかと言ったら、それはどうだかわからない。
いわゆる「良い映画」なのかどうかもわからない。
でも、「まぁ、面白いは面白かった」かな。
邦画みたいだったと書きましたが、上映中、息子役のチェ・ウシクが松田龍平の色気に似ているなぁ・・とか考えていました。
息子が松田龍平なら母役は松田美由紀・・おお、いいじゃんいいじゃん、と。父役は國村隼、娘役は黒沢あすか・・・
とここまで妄想したところで、「なんか一世代ずれているな」と思い。
改めて、日本版でこの家族を想像してみたのですが、こんな感じでどうでしょう。
父・古田新太、母・黒沢あすか、息子・望月歩、娘・堀田真由。
息子・娘は3年A組のメンバーですね。
汚い便器の上で娘がたばこを吸うシーンがなんだか印象深かった。
ある意味の「強さ」ね。
あと、息子が家庭教師をする相手の女の子がかわいくて、目がくるくるっとしていて、高畑充希ちゃんみたいだった。
まぁ、そんな妄想はどうでもいいのですが、こんなことをつらつら考えちゃうくらい、身近な感覚でした、ということが言いたかったわけであります。
正統派モードでまとめの感想を言うなら、
「幸せって何なんすかね。」です。